「そんな経歴あり得るの?」集団面接で一緒になった女子学生の発言に唖然…就活早期化で広がる大学生の意識格差、“中途半端になる大学生活”に嘆きも
就職活動に押し寄せる早期化の波。ホテル業界大手の星野リゾートは今年10月、大学1年生から選考に応募できる通年採用制度を開始。選考までいかずとも、今や大学1・2年生から長期インターンシップを受け入れている企業も珍しくない。受験を突破して大学に入学したばかりで、すぐさま突きつけられる「就活」という現実──。現役大学生たちの胸中もさまざまのようだ。【前後編の後編】
応援部なのにまさかのインターンシップ経験をアピール
就活中に遭遇する“意識の高い”大学生に、内心震える学生もいる。「いわゆる“ガクチカ”(学生時代に力を入れたこと)で、インターンシップ経験をアピールする人がいて驚いた」と振り返るのは、早稲田大学に通う3年生の綾さん(仮名)だ。 「私と一緒に面接に集められたなかで、慶応の応援部に所属していると言っていた女性がいました。その後集団面接があり、ガクチカアピールでは、てっきりその経験を話すと思っていたら、まさかの長期インターンシップの話を始めたのです」 体育会系の部活に所属する綾さん。練習のハードさから、インターンシップは4年生になってから考えようと思っていただけに、「思わず彼女のほうを見てしまった」というほど衝撃を受けたという。 「時期は不明ですが、スタートアップ企業で長期インターンしていたらしく、そんな経歴があり得るのかと思いました。休部までいかずとも、少なくとも部活動のセーブは避けられなかったと思います」
巻き込まれてしまうと「すべてが中途半端に」
綾さんは「私の部活では、4年間部活に専念することを前提に計画的に留年し、大学5年目でやっと就職先を探す人もいるのに……」と、就活生の意識格差が大きいことを知って、驚きを隠せない。 「就活を早く始める人がいたら、他の人たちも巻き込まれざるを得ないのが現実だと思います。どうしたって内定者の数は決まっていて、その枠は基本的に早いもの勝ちなことが多いわけですからね。私はサークルや部活、興味のある授業の選択など、大学生ならではの活動を犠牲にする大学生活に疑問は感じますし、自分には真似できないと思いつつも、焦りを感じざるを得ないのは本音です。友人とは、『結局、すべての大学生活が中途半端に終わる』と嘆いています」