「将来は看護師か薬剤師になりたい」という高校生の娘。親としては「できるだけ長く働きやすい仕事をしてほしい」と思いますが、どちらがおすすめでしょうか?
医療職は幅広い知識や経験が必要とされる仕事の1つ。中でも看護師や薬剤師は、「将来就きたい仕事」として高校生からも注目されているようです。本記事では、看護師と薬剤師の年収や働き方に着目し、どのような違いがあるのか、できるだけ長期で働くうえではどちらがおすすめなのかを解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
看護師の年収や仕事
総務省が公表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の年収は企業規模10人以上の場合は月収35万2100円、ボーナスを含めた年収は約508万円となっています。 ただし、これはあくまで平均であり、実際は勤務先の規模や環境、経験年数、役職の有無などによって大きく変わることも考えられます。たとえ同じ職場で年齢や経験年数があまり変わらない場合でも、夜勤があり残業が増えると収入も多くなることもあるでしょう。 看護師は、病院だけでなく保健室や介護施設、企業従業員の健康管理など活動場所が多岐にわたるので、年収や働き方もさまざまです。例えば、結婚して子どもがうまれると夜勤をするのが難しくなることもありますが、多様な働き方がかなう看護師は、その都度ライフステージに合った職場を見つけやすい職業ともいえそうです。
薬剤師の年収や仕事
製薬会社の研究職や厚生労働省所属の麻薬取締官など、看護師同様に業務内容や活躍場所がさまざまある薬剤師ですが、最もよく知られているのが病院や薬局で働くケースではないでしょうか。 薬局では医師が出した処方箋を確認して調剤を行いますが、処方箋の通り薬を出せばいいわけではなく、副作用の有無や内容、アレルギーとの関係などを患者に説明するのも重要な仕事です。かかりつけ医という言葉がありますが、それぞれの薬の飲み方やリスクを確認して、患者に寄り添った形で随時アドバイスを送る「かかりつけ薬剤師」も存在します。 前出の賃金構造基本統計調査によると、薬剤師の年収は企業規模10人以上の場合は月収41万7500円、ボーナスを含めた年収は約578万円となっています。これだけみると「看護師よりも年収が高い」といえますが、働き方や環境は人それぞれ異なるので、どちらが働きやすいのかについては一概には言えません。