ファスティングに走るのは、値引きシールのお惣菜やお弁当を食べている人よ

「だいたい極端なタイプなのよ、ファスティングする人の性格が！ ファスティングに走りがちな人は、けっこう家にいることが多くない？ 普段は体をテキパキ動かしたり、健康のために運動したりしない人。 得てして出かけるのがおっくうで、面倒くさがりの人が多いんじゃない？ ダイエットしなくちゃと思いつつ、ストレスがたまるとドカ食いしたりね。で、体重が増えちゃたりすると、ファスティングでもしてみようという発想。 一気にやろうとするの。面倒くさがりだからダイエットも一気にね。そういう人は食事を作るのも面倒くさがる。面倒だからスーパーやお惣菜屋さんの惣菜をまとめて買ってきたりするんだと思う。スーパーには、いつも夕方の値引きセールの時間に行って、半額シールが貼られるのを待ってダーっと走って行く系。 そして、痩せたいと言いながら、見切り品の焼きそばとか巻き寿司とかを夕食に食べていたりしません？ 言っておくけど、値引きシール品が悪いわけじゃないわよ。安いからと、お惣菜やお弁当などの原材料や栄養素表示も見ないで買って、どれだけ糖質過多になっているということです」 いつかダイエットのアドバイスをした女子もそうだったとか。 「食事報告してもらったら、夕食はみごとに値引きシールのオンパレード。 前にも話したけれど、見た目に何を使っているかわからない食べ物は『隠れ糖質』が多いの。だから、ダイエットする人には『素材が見えるもの』をすすめているんです。 下の写真は、炭水化物と調味料を大量に使うお惣菜ばかり食べていた人です。

お惣菜を選ぶなら…

『値引き品でも、まずは野菜売り場に行って野菜を買いましょう。肉や魚売り場で、お刺身とか海藻、厚切り肉なんかを買ってね』とアドバイスしました。それがなければシンプルなお惣菜。ごま和えよりはただのおひたしを、唐揚げやフライではなく焼き魚を、と。 習慣を直すまでにはだいぶかかりましたけど、こうして面倒くさがり屋さんの習慣を直しながら食生活を改善していくと、ダイエットに成功するし、リバウンドも少なくなるんです。 最後に。ファスティングは本当に難しいの。個人差もあるし、やり方だけが問題ではありません。週末に2日間ファスティングしたとします。2kgも痩せる人がいるかと思えば、500gも痩せない人もいるの。なぜだと思いますか？ だいたいは徹夜するほど忙しいとか、寝てない眠れない、またはストレス過多でイライラしてる…とかいうんです。つまり、交感神経がずっと優位なままの人。これ、実は更年期にあるあるです！ みごとなくらい、体重が微動だにしなかったりするの。やはり自律神経が整っていないとダイエットは成功しないのよ」

管理栄養士・料理研究家 麻生れいみさん

【教えてくれたのは】 麻生れいみさん 管理栄養士・料理研究家。東京医療保健大学大学院医療保健学研究科医療栄養学領域修了。慶應義塾大学SFC研究所 食・フードサイエンス＆テクノロジー共同研究機構メンバー。著書は『麻生れいみ式ロカボダイエット』（ワニブックス）、『20kgやせた! 糖質オフ入門 最新版』（宝島社）などすでに28冊に及ぶ。ベストセラーも多数。 取材・原文・画像制作／蓮見則子　イラスト／カケハタリョウ