「○時間ファスティング」は、血糖値を上げないことが成功へのカギ

よく聞くのが「○時間ファスティング」をやったけど痩せないという人。 「これはけっこういます。『16時間（または14時間、または12時間）何も口に入れてはダメ。残りの時間は何を食べてもいい』というあれです。 十数時間も食べずにいて、食べていい時間になった途端におにぎりや菓子パンなど、糖質の高いものをバンバン食べる人がいて驚いちゃった。 空腹時にいきなりそれはダメよ。痩せるどころか続けていたら太るに決まってるわ。急激に血糖値を上げることになるので、いちばんダメダメなパターン。空腹の時間が長いほど気をつけなきゃいけません。 はい、血糖値を上げたらなぜダメなんでしたっけ？ いろいろダメなことはあるけど、ダイエットの話に絞ればインスリンがドバッと出るからですね。インスリンがドバドバ出ることで脂肪が増えることは前回お話ししたけど、この仕組みは大事だから絶対覚えておきましょう」 しかも、血糖値が急に上がるとインスリンのおかげで今度は急に下がるという。 「この乱高下が、メンタルにも影響するって知ってました？ 集中力や思考力が低下するし、イライラする。さらには、今度は空腹感が増したり、糖質に対する欲求がメラメラ燃えるの。脳の甘いものに対する執着は強くて、これがかなわないとなるとますますイライラする。 あーもう、ファスティングはなんてつらいの！ イライラッ！ みたいになるのはたいてい、糖質とりすぎてる人よね。 これと同じ理由で、気をつけたいものにファスティング用のドリンク類があります。酵素ドリンクなどがたくさん出ているけれど、ちゃんと原材料や栄養成分表示をチェックしてる？ ものすごく甘いもの、つまり糖質量の高い酵素ドリンクもあるのよね。ファスティング用といいながら、甘味料を加えてわざわざ糖質を高くしてるって、意味がわかりません！」 ファスティング中に飲む酵素ドリンクの糖質量は、1回分10g以下に。見るべき数字は、カロリーではなく糖質（炭水化物）量だと麻生さん。 「それでも！ たぶん、あなたが100kgもある超肥満体の人なら、プチファスティングでも16時間断食でもテキトーに自己流でやっても痩せると思います。日頃食べすぎているでしょうから。 または、あなたが20代、30代だったら、なんとなくファスティングしても痩せるかもしれません。若い人は寝ても痩せるの。一日食べなければすっと痩せる。甘いものを多少食べてもそんなに太りません。羨ましいことに。 若くて健康なら肝臓もすい臓も元気。糖代謝も脂質代謝もまだ落ちていないからです。 でも、おじさんおばさんはダメよ。年を重ねた内臓と向き合って、もう少し頭を使いましょうよ。美も健康も一日にして成らずってことはもう学んでるでしょう？ 人生経験もあるんだから、もう少し知的にダイエットしません？」