名古屋城巡る市民の差別発言の検証ヒアリング「喜んで応じる」 河村市長が会見
名古屋城巡る市民の差別発言の検証ヒアリング「喜んで応じる」 河村市長が会見
名古屋市の河村たかし市長は3日、市役所で定例記者会見に臨んだ。名古屋城天守閣木造復元のバリアフリー化を巡り、市民討論会で障害者に対する差別発言が出た問題について、外部有識者を入れた検証チームが市長に対するヒアリングを求めた場合は「喜んで応じる」と述べた。検証チームでは「史実に忠実な木造復元」にこだわる河村市長の考えが市民の対立を招いている可能性も含めて議論され、結論が出るまでに1年程度はかかる見通しも示されている。 【動画】名古屋・河村たかし市長が定例会見(2023年7月3日)
市議会では市長と市職員との「思い違い」も明らかに
討論会は6月3日に開かれ、エレベーター設置を望む障害者に対して、参加者の市民から「どこまでずうずうしいのか、我慢せいよ」といった発言や、身体的特徴に関する差別表現などが出た。これに市側は適切に対応できなかったとして、障害者団体などから抗議の声が上がっている。 会見で河村市長は討論会について「無作為抽出で選んだ市民から本当に生の声を聞く」意義があったとした上で、差別発言に対しては「市側が何もしなかったというわけでなく、言い合いになったときに止めた」「(市民の発言は)個人に向けたものではなく、一般論として話された」などと弁明した。 しかし、討論会のあり方は開会中の市議会でも大きな問題となっており、市は外部有識者を入れた庁内のチームを立ち上げて検証することを表明。その方針が示された市議会の委員会では、上層階までの昇降技術を前提に業者を選定した市側と、上層階までは不要とする河村市長との「思いが食い違った」などと指摘する職員の声が明らかにされている。 河村市長はこうした指摘に対して「名古屋に本物の宝を残していこうという気持ちを(職員に)伝えきれていなかった」などと述べた。
次期市長選「減税しない人応援しない」
2025年4月に任期満了を迎える次期市長選に、国民民主党代表代行の大塚耕平参議院議員が出馬表明したことについては、「(出馬表明後に大塚議員から)連絡はまったくありません」と明かした。 その上で「減税しない人を応援してしまったらどうなるんですか」と、大塚議員が減税政策を公約などに掲げない限り、支持はしない考えを示した。大塚議員自身も「河村市長の後継ではない」と明言している。 (関口威人/nameken)