大雨の農業被害額38億円「さらに増えていく」 愛知・大村知事が定例会見
愛知県の大村秀章知事は12日、県庁で定例記者会見に臨んだ。今月2日の記録的大雨について、県内の農林水産業の被害総額が約38億7000万円に上っていると公表。「この1週間で徐々に現場で被害が把握されて被害額が上がってきている。今後もさらに増えていくのが普通だ」として、被災者の生活再建と被災地域の復旧・復興に全力を挙げる姿勢を示した。 【動画】愛知県・大村知事が会見(2023年6月12日)
生産量日本一の「大葉」被害が9億円「なんとかしなければ」
台風2号の接近に伴う線状降水帯の発生により、豊橋市で24時間雨量が観測史上最大の418ミリとなるなど、県東部の東三河地域を中心に記録的な大雨がもたらされた。 人的被害は豊橋市で死者1人、軽傷2人にとどまったが、住家被害は全壊2棟、一部損壊3棟、床上浸水409棟、床下浸水348棟。床上浸水は「平成20年8月末豪雨」と名付けられた災害以来の被害数だという。 農林水産被害も2000年以降では3番目となる被害額。内訳は、ほ場への土砂流入などの農業被害が約17億4000万円、農地・農業用施設の被害が約4億1000万円、山腹崩壊などの林業被害が約16億3000万円、養殖施設などの一部破損による水産業被害が約8000万円となっている。 大村知事は「農業被害の中でも(東三河地域で日本一の生産量を誇る)『大葉』が9億円と圧倒的に多い。なんとかしなければ」と指摘。「県としてできるだけ早く応急措置をやり、その後は国の災害復旧制度などを活用して本格的な復旧工事に速やかに取りかかっていきたい」と述べた。
「休み方改革」アピールするテレビCM紹介
県が進める「『休み方改革』イニシアチブ」を周知するテレビCMが完成したとして、15秒の動画を紹介した。 県は子どもの休みに合わせた保護者の有給休暇取得促進などの「休み方改革」を経済界・労働界・教育界と連携して進めようと、賛同企業・団体を募集している。テレビCMではこうした施策と募集について紹介し、大村知事が「愛知の休み方を変えます」と呼び掛ける。今月19日から来月2日までの2週間、在名テレビ5局でCMを流すほか、同様の内容の新聞広告も打つという。 (関口威人/nameken)