中日に招かれた「6人のコーチ陣」に期待したいこと 生え抜き、初加入とバランス良く配置されるか
中日は10月28日、来季からコーチに就任する6名を発表した。内訳は松中信彦氏(打撃)、飯山裕志氏(野手総合)、小山伸一郎氏(投手)、平田良介氏(外野守備)、小林正人氏(育成)、田島慎二氏(投手)。また、井上一樹新監督が自ら明かす形で落合英二氏の2軍監督就任を発表。1軍・2軍の振り分けはこれからのようだが、大まかな組閣の形が見えてきた。 【画像】押さえておきたい「2024ドラフトの目玉」たちを厳選! 注目選手のプレー写真&寸評を一挙紹介 ■飯山氏はノーマーク 今回発表されたメンバーを見ると、さまざまな経歴を持った者が集まっている。初めて中日に呼ばれた人、中日から他球団へ移籍して飛躍した人、生え抜きで活躍した人がバランスよく配置されるだろう。 松中氏に関しては既報通り。井上監督とは同じ九州出身で、以前から親交があったそう。プロでの指導者経験はロッテで1年間臨時コーチを務めたのみで、セ・リーグは現役時代通じて初のユニフォーム。卓越した打撃理論を携え、若い打者の技術向上にひと役買いたい。 飯山氏に関しては全くのノーマークで、驚いたファンも多いのではないか。現役時代は日本ハム一筋20年。主に内野の守備要員としてチームを支え続けた。引退後も日本ハムでコーチを務めていたが、今季からはプロスカウトに転身。わずか1年で現場に戻ることとなった。ちなみに、井上監督と同じ鹿児島出身だ。 小山氏は1997年ドラフト1位で中日に入団。04年に楽天に移籍してそのままコーチを務めており、来季は実に21年ぶりの古巣帰還となる。現役時代は速球投手で、楽天在籍時は投手陣のリーダーとしてリーグ優勝に貢献。コーチ就任後は涌井秀章(現中日)にシンカー、通称「こやシン」を伝授したことで知られている。 ■平田氏は走塁面の指導も期待 中日の生え抜きでプレーした名選手もコーチとして戻ってくる。 平田氏は中日で17年間プレー。強打堅守の外野手としてチームの主力を張り、サイクル安打やゴールデン・グラブ賞などの実績を誇る。2015年のプレミア12では侍ジャパンのメンバーにも選出。類稀なる野球脳の持ち主として知られており、外野守備だけでなく走塁面での貢献も見込まれる。 小林氏は左キラー、特に「阿部慎之助キラー」として知られた左腕で、サイドスローから巧みな投球術を見せていた。2014年限りで引退した後は球団広報に転じ、チーム付や監督付広報を歴任。今回、指導者としては初めてのユニフォームに袖を通す。育成部門のコーチということで、2軍の残留組への指導が主となるか。 今季限りで現役を退いた田島氏は、来季からコーチに転身する。キャリアのほとんどをリリーフで過ごした「タジ魔神」が次代のブルペンリーダーを育て上げることに期待だ。 ■落合英二氏、異例の「出戻り」 そして、落合氏の2軍監督就任には驚いた。正式発表はまだだが、異例の「出戻り」となる。 立浪政権でヘッドコーチ、育成コーチを務め、韓国・サムスン時代には日本人では珍しい2軍監督を担っていた。経験豊富で、硬軟織り交ぜたコミュニケーション能力が武器。今季でいえば松木平優太の飛躍を支えていた。 チームはドラフトで金の卵を迎え入れ、野手を中心に成長著しい若手を数多く抱えている。今回就任するコーチ陣には彼らを存分に手助けしてもらいたい。 [文:尾張はじめ]