本田圭佑が8年前に西野Jを重ねる「一発目のシュートが決まる気がする」
すべてが8年前とダブってくる。 日本代表の現状に対する危機感。開幕が目前に迫ったワールドカップへ抱く焦燥感。そして、逆境のなかでも前を向かんとする使命感が体を突き動かす。ガーナ代表を日産スタジアムに迎える30日のワールドカップ壮行試合へ向けて、千葉県内で合宿を開始させてから8日目の5月28日。初めてペンメディアの取材に応じた本田圭佑(パチューカ)は、デジャブのなかにいた。 選手たちとのコミュニケーションや信頼関係がやや薄らいできたという理由で、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が電撃解任されたのが4月7日。急きょバトンを引き継いだ西野朗監督は初めての活動となる今合宿で、前任者のもとでは一度も採用されなかった3バックを試している。 「いまの時点でネガティブなことを言ったところで、大事な試合はやって来るし、そこでは勝利を求められる。その意味では、いまはネガティブなところはあえて封印すべきだと思っている」 デジャブとは初めて体験することなのに、以前にも見た光景だと錯覚する現象を指す。 2010年の南アフリカ大会直前を振り返れば、韓国代表との壮行試合で0‐2の完敗を喫した岡田武史監督が進退伺を提出。日本サッカー協会の犬飼基昭会長に慰留され、翻意した指揮官は、それまでの『4‐2‐3‐1』を『4‐1‐4‐1』に変更。ボールポゼッション型から堅守速攻型へ突然舵を切った。 精彩を欠いていた司令塔・中村俊輔をベンチへ追いやり、本職ではない1トップで当時の本田は体を張り続けた。一転して今合宿における実戦形式の練習では、西野監督が完成を急ぐ『3‐4‐2‐1』の1トップの背後、2シャドーの一角を任されている。 ザックジャパンでは『4‐2‐3‐1』のトップ下、ハリルジャパンでは『4‐3‐3』の右ウイングを務めてきた本田は、個人的にはこれまでほとんど経験のないシステムとポジション、3バックとシャドーを「新鮮ですよね」と受け止めている。 「あまり見慣れていない景色のなかで、どこにスペースが空くとか、いろいろと模索しながら練習しています。まだわからない部分もありますけど、30日(のガーナ戦)ではそのへんが少し見えてくると思っているので。そこからでしょうね。急ピッチでいろいろと調整をする作業は」