アルツハイマー病新薬「レカネマブ」販売……適用患者と薬価に“高いハードル”も 現役世代や「若年性認知症」も対象に
■早期の患者のみ…投与の高いハードル
徳島アナウンサー 「そして、もう 1 つのハードルは、早期の患者のみという点です。認知症に詳しい東京大学大学院医学系研究科・岩坪威教授によると、対象となるのは認知症の中でも非常に限られます」 「認知症には大きく 4 つの段階があり、まだ認知症と診断される前の『軽度認知障害』や『軽度』『中等度』『重度』の認知症があります。レカネマブはこの中で『軽度の認知症』と『軽度認知障害』が対象で、早期の段階で投与することで効果があるとされています」 「しかも、この中でアルツハイマー病かつ、神経細胞を破壊する病気の原因物質『アミロイドβ』が検出されないと、この薬を使うことができません。そのため、投与のハードルが非常に高くなっています」 藤井アナウンサー 「はっきりと『軽度の認知障害だ』と認めることも難しいでしょうから、『これぐらいなら高額の薬を使わなくてもいいのでは』となり、そこのハードルも高くなってくるかもしれないですね」
■症状の「程度」「回数」「変化」に注意
徳島アナウンサー 「そうですね。手が出しにくいということもありそうです。そこで続いてのポイント、認知症の早期発見について考えます」 「自分や家族が早期の認知症状に気づくにはどうすればいいのでしょうか? 岩坪教授によると、軽度で共通するこれといった症状はなく、専門家でも難しいそうです。ただ、ポイントは物忘れなどの『程度』と『回数』と『変化』です」 「日付を思い出せない、冷蔵庫の物を忘れる、何だかぼーっとしている。こういった症状が日常に及ぼす程度、回数が気づきにつながるといいます。変化については、帰省などでたまに会う家族こそ気づきやすいといいます」
■「おかしい」…違和感があれば受診を
刈川キャスター 「私も実家に帰った時に母から『祖母と話してみてほしい』『少しおかしいなと感じたら、一緒に病院に行こうと思うの』と言われました。近くにいるからこそ早く気づける良さと、離れているからこそ分かること、それぞれあるんだなと感じました」 徳島アナウンサー 「そうですね。日々一緒に暮らしている家族だからこそ変化になかなか気づきづらいという面もあると思います。1 年前と比べて『去年と違うな、何だかおかしいな』と感じたら医療機関の受診を勧めていいとのことです」 「最初に相談するのは、普段お世話になっているかかりつけ医で OK だそうです。そこから専門医に紹介状を書いてもらいます。また全国で約 500 か所ある『認知症疾患医療センター』など専門機関に直接相談してもいいそうです」