新党立ち上げ「石丸伸二氏」は結局何がしたいのか? 大学時代の友人は「今の彼を見ていると、無理をしていて辛いんじゃないかなと…」
「東京が動けば日本が動きます」そんな大胆な言葉とともに新党の立ち上げを宣言したのは、先の東京都知事選で世間を騒がせた石丸伸二・前安芸高田市長(42)だ。来年7月の東京都議選に照準を合わせた地域政党だという。そういえば、国政に挑戦するのではなかったか。 【写真をみる】「石丸人気ってこんなにスゴかったの!?」 銀座の路上を聴衆で埋め尽くした石丸伸二氏 都知事選で蓮舫氏を上回る約166万票を獲得し2位となった石丸氏は、記者から国政進出の可能性を質問されると、「選択肢としては当然考えます。例えば衆議院広島1区。岸田首相の選挙区です」と答えていた。 ところが、結局石丸氏は衆院選に出馬することはなく、ダークホースが国のトップを引きずり降ろすというドラマチックな展開とはならなかった。11月12日に新党立ち上げ情報を“解禁”したYouTubeライブ配信では、「国政は一旦忘れましょう。あまりにも扱うテーマがでかすぎる」と話していることからしても、都議選と時期を同じくする参院選については全く視野に入っていないようだ。 結局のところ、石丸氏は何を目指しているのか――。これまでの“快進撃”を振り返りながら、今後の展望を分析する。(「週刊新潮」5月30日号、11月18日配信記事をもとに再構成しました)。 ***
「“本当にいい人”だったのに……」
石丸氏は、バス会社に勤務していた父と、農家出身の母との間に生まれた、3人きょうだいの次男坊。京都大学経済学部を卒業した後、現在の三菱UFJ銀行に就職し、アナリストとしてニューヨークなどのアメリカ大陸の都市を飛び回った。エリート街道をひた走るキャリアを捨て、出身地である広島県安芸高田市の市長となったのは4年前のこと。 「以降、市議会や市長の会見の映像が公式YouTubeチャンネルに投稿され、話題を集めていきました。政治再建、都市開発、産業創出の3本柱を掲げる若き石丸市長が、市議らを旧態依然とした“敵”だと見なし、過激な言い回しで批判する姿が痛快だと、ネットで喝采を浴びるようになったのです」(政治部記者) 一方、石丸氏と大学時代に仲が良かった友人は、その能力と人柄を評価しつつも、心配な点を口にした。 「彼は個性的な人が多かった当時の京大の中では癖がなく、コミュニケーション能力に長けた、いわゆるリア充でした。一方で気骨もあった。勉強だけではなくて、空手やジャグリングも頑張っており、いつも“時間がもったいない”と自転車を急いでこいでいました。本当にいい人だったので、今の彼の動画を見ていると、無理をしていて自分自身が辛いんじゃないかな、と心配になります」