アルツハイマー病新薬「レカネマブ」販売……適用患者と薬価に“高いハードル”も 現役世代や「若年性認知症」も対象に
■臨床試験で推定された効果は?
徳島アナウンサー 「高額の新薬としての効果や、認知症の早期発見について見ていきます」 「レカネマブは、日本の製薬大手エーザイとアメリカの製薬会社バイオジェンが共同開発した薬です。認知症にはさまざまな種類があり、現在、推計約 600 万人の患者がいますが、脳が萎縮して記憶力や判断力が低下するアルツハイマー病はその約 7 割を占めています」 「レカネマブの最大のポイントは、認知症の症状を治すのではなく、進行を遅らせることが期待されるということです」 「効果は人によって違いますが、エーザイによると、これまでの臨床試験では使っていない人たちと比べた場合、全体として症状の悪化が 27%抑制され、平均で約 3 年、症状の進行を遅らせることが可能だと推定されるということです」
■保険や高額療養費制度の適用は?
徳島アナウンサー 「ただ、普及には大きく 2 つのハードルがあります。1 つは、非常に高額な薬価です。12月、厚生労働省の協議会で患者 1 人あたり年間約 298 万円と決まりました。月額で約 25 万円となります」 河出アナウンサー 「月額 25 万円、なかなか気軽に使えるものではなさそうだなと感じてしまいますが、保険などは利かないのでしょうか?」 徳島アナウンサー 「保険の適用はされることが決まりました。さらに、医療費を一定額に抑える『高額療養費制度』も使えます」 「例えば 70 代で年金などの年収の目安が 156~370 万円の人なら、患者負担の上限額が年間 14 万 4000 円。実質的な月額は 1 万 2000 円ということになります。薬の値段は月に 25万円ですが、患者の負担は 1 万 2000 円です」 「ただ、年齢や年収によっては高額療養費制度の対象にならないこともあります。現役世代の 50 代で年収 500 万円の人の場合、仮にレカネマブだけの薬価で単純計算すると通常の3 割負担となり、患者負担は月に約 7 万 5000 円になります」