22件途中で切ってもトラブル無し…カスハラ対策の『切電マニュアル』で効果 進む従業員を悪質客から守る対策
従業員への暴言や理不尽な要求などの迷惑行為、いわゆる「カスハラ」への、企業や自治体側の対策が進められている。電話オペレーターへのカスハラが続いていた「首都高お客様センター」では、2023年から「切電マニュアル」を作成したところ、効果がでている。 【動画で見る】22件途中で切ってもトラブル無し…カスハラ対策の『切電マニュアル』で効果 進む従業員を悪質客から守る対策
■過去3年以内の「カスハラ経験」は30%以上
2024年11月25日、愛知県長久手市の携帯電話ショップで、20歳の女がスマートフォンの不具合がすぐに解消しなかったことに腹を立て、女性店員に「嫌な気持ちになったから土下座しろ」などと脅したうえ、髪の毛を掴み土下座させようとした強要未遂の疑いで逮捕された。
逮捕当時、調べに対し女は「私は脅してはいない。頭髪は引っ張りました」と容疑を一部否認していた。 調査会社のネオマーケティングが2024年9月に行ったリサーチ結果では、3年以内にカスハラを受けた経験が「ある」と答えた人は、合わせて32%で3人に1人、「よくある」と答えた人も約6%だった。
■「内容の理不尽さ」など…菊池弁護士に聞いたカスハラとクレームとの違い
カスハラとクレームとの違いについて、菊地幸夫弁護士に聞いた。
菊池幸夫弁護士: 「要求される内容が、理不尽なものなのかどうなのか。お前には能力がないからやめてしまえ、あるいは、言葉悪いですけどバカなんて、こういうような言葉、暴言を吐いたり、理不尽であればカスハラになりやすいですしそうでなければ、それは正当な要求だということになります」 また、ポイントは、要求する内容だけではないという。 菊池弁護士: 「内容が正当であっても、その主張される手段、方法、やり方ですよね。非常にしつこく執拗に、例えば 1回1時間、2時間とか相手を電話で拘束する、電話を切らさないようにする。それを連日のように繰り返す、要するに、内容が理不尽でなくても、手段、方法がそのような「社会的相当性」を逸脱するというようなものだとこれはカスハラになる。だから、抽象的に言えばこういう定義でこれは分けられるということになりますね」
明確な線引きはしにくいものの、内容が理不尽ではないか、また内容が正当であってもその手段も問題で、長時間拘束する、相手を罵倒・威圧する、写真を撮ってWEBに配信するといった「社会的相当性」を逸脱するものはカスハラに当たるとしている。