日ハム新庄監督がSNSでクローザー候補のドラ8位ルーキー北山を開幕投手にサプライズ指名した波紋と“真の狙い”
楽天、巨人などで参謀を務め、トライアウト後に新庄にオファーをした経緯もある新潟アルビレックス・ベースボールクラブ監督の橋上秀樹氏も日ハムは「最下位」予想だ。 「戦力の整っていないチームは奇襲をやらざるをえない。でも奇襲はあくまでも奇襲。短期決戦ならまだしも、戦力のあるチームにどっしりと構えられるとトータルの戦績では勝てない。新庄監督にしてみれば、オープン戦の勢いのまま、ひっかきまわして開幕ダッシュに成功したいのだろうが、対戦チームは意外とあたふたすることはないのではないか。どうみてもシーズンを通じて勝てる戦力はない。新庄監督も球団も、そこは十分に認識していて若手にチャンスを与えて経験を積ませ、来年、再来年につなげるシーズンにしたいのだろう。オープン戦ではノンプレッシャーで若い選手がノビノビできる環境を新庄監督は作った。だが、レギュラーシーズンに入ると相手チームの対応もガラっと変わってくるし、そう簡単にはいかない」 8勝6敗2分けで5位につけたオープン戦では、新庄監督は、野手に複数ポジションを守らせ、抽選やファン投票で打順を決め、上沢、近藤に1日監督をさせるなど、手をかえ品をかえ若手選手に主体性と自信をつけさせるアプローチをしてきた。 BIGBOSSの助言を守り減量を敢行した期待の清宮は打率.200、0本塁打と伸び悩んだが、万波が5本塁打を放つなど存在感を示し、ルーキーの水野や2年目の今川らに積極的にチャンスを与えた。ただ新庄監督が取り組んだ戦力の底上げが、すぐに効力を発揮するとは思えず、打線は新外国人のアルカンタラ、ヌニエス頼りになるだろう。橋上氏も「日ハムは巨人と違い外国人の選択が上手いので、そこがどう機能するか」と指摘した上で、パのペナントレースの行方をこう占う。 「オリックスが盤石ではないか。山本、宮城の2本柱だけでなくピッチャーがいいし打線が新戦力の台頭もあってさらによくなっている、去年勝ったことが自信につながっているように見える。対抗馬はオープン戦を優勝した楽天。戦力が揃ってきた。とくに先発を含め投手陣にタレントが揃い安定している。ここに割って入ってくるのが、ソフトバンクだが、まだ計算の立つ先発が整備できていない。内外野のポジションも固定できていないところがある。この3球団が優勝争いをし、次のグループがロッテ、西武、そして日ハムとなるのではないか。逆に言えば日ハムに足を引っ張られるチームがペナント争いから脱落する。いずれにしろ混戦になると見ている」 キャスティングボートを握るのが何をやってくるかわからない新庄日ハムなのかもしれない。 (文責・論スポ/スポーツタイムズ通信社)