地元の人がうらやましい!サウナと天然温泉が楽しめる地域密着型日帰り温泉「じょんのび館」に行かずに新潟から帰れない!
新潟県新潟市にある日帰り温泉「じょんのび館」。“じょんのび”はこの地方の言葉で、「のんびり」とか「ゆったり」という意味で、温泉でのんびりしてほしいという思いから名付けられた施設。地元に根差した施設ながら、サウナ目当てで遠方から足を運ぶ人も多いという、「じょんのび館」へ行ってきた。 【写真で見る】「じょんのび館」のサウナと温泉! ■男女日替わりで異なる風呂とサウナが楽しめる JR巻駅から車で10分ほどのところにある「じょんのび館」。自然に囲まれた広々とした施設で、開店前から駐車場には車が次々と集まってきて車内で待機している様子。営業時間は10時からだが、5分前にもなると十数人が入口に列を作っていた。車のナンバーを見る限り、ほとんどが県内の人たちだが、ちらほら県外ナンバーも見られた。入る前から人気の高さがうかがえる。 開店して中に入ったらまずは受付。館内は広いが早く温泉とサウナに入りたいので、館内見学は一旦スルーして脱衣所へ。こちらは「源氏蛍の湯」と「平家蛍の湯」があり、日替わりで男女入れ替えとなる。この日は女性が「平家蛍の湯」ということでこちらへ。 「じょんのび館」のお風呂は源泉100%の天然温泉。無色透明で体の芯まで温まる。「源氏蛍の湯」でも「平家蛍の湯」でも、気持ちいい温泉が楽しめるが、それぞれ浴室の造りとサウナが違う。今回入った「平家蛍の湯」は広々とした内湯とドライサウナ、スチームサウナがある。 ■スチームサウナとドライサウナがある「平家蛍の湯」 内湯は大きなガラス窓からの光が降りそそぎ、窓の外の緑も身近に感じられる。お湯は温泉で手足を伸ばしてゆっくり入ると、体の中まで温まっていく。髪と体を洗ってからまずは温泉を楽しもう。 体が温まったらスチームサウナへ。2021年にリニューアルしたというスチームサウナは地元の野草を使った薬草スチームサウナ。この日はドクダミ、桑、柿の葉を使用していて、程よく植物の香りも楽しめる。床を高くしているので意外と体感温度も高め。初心者にも入りやすいサウナ。ここでじっくり温まろう。 スチームサウナでしっかり温まったら、汗を流して水風呂へ。水風呂はわりと冷たいので、しっかり体が温まってから。苦手な人は温度調整したぬるめの水シャワーで汗を流してクールダウン。 水風呂のあとはととのい椅子で休憩といきたいが、ここで贅沢すぎる選択肢が目の前に!なんと、ととのいスペースが多いのだ。外気浴スペースに椅子とベッドがあるだけでなく、半屋外や屋内にも何カ所か椅子やベッドが置かれていて、どこに行くべきか悩まされる。そのときの気分でととのい場所を選べるなんてスゴイ!自然に溶け込む屋外か、温かい室内か、ベッドか椅子か、水風呂のあとに考えるのは酷なので、あらかじめどこに行くかを決めておくほうがよさそう。 ■高温なのに息苦しさを感じない「ドライサウナ」 2セット目はドライサウナへ。レッドシリカという国産の天然石を使用した自慢のストーブを導入していて定員15名程度と広さも十分あり、サウナ室の温度は100度超えという本格派。サウナ室に入った瞬間は熱く感じるかもしれないが、居心地がいい。しっかりじわじわと汗をかいていく。 ちなみにスタッフおすすめは、入ってすぐ右上段の端だそう。サウナ室の空気の流れから、熱くなる場所だ。初心者や熱いのが苦手な人は下段がおすすめ。下段に座る場合、混雑していなければ、あぐらをかくか、体育座りで足の位置を少し高くするほうが温まる。くれぐれもほかの人の邪魔にならないように注意しよう。 こちらもサウナのあとは水風呂→外気浴(休憩)へ。屋外に座るか屋内に座るかでも感じ方が違う。今の時期、屋外は寒いので無理して外気浴をしなくてもいい。逆に外気浴をしたいときにはタオルなどで体を覆っておくと寒さが和らぐ。屋内でも十分体を休めることができる。 ■温泉を堪能するならやっぱり露天風呂 「じょんのび館」の特徴的なお風呂はやっぱり露天風呂。浴室から出るとトンネルのような階段があり、これをひたすら降りていく。浴室からの距離に最初はちょっと戸惑うが、向かった先には開放的な露天風呂が! これぞ「平家蛍の湯」。緑に囲まれた自然の中の温泉で、秘湯のような趣もある。周囲に何もないからこその開放感がたまらない。たいてい女湯は露天風呂といっても目隠しになるような塀や柵などを設置していることが多いが、ここは男女入れ替えをするぐらいなので、日にちが違えば男女同じ温泉やサウナが楽しめる。これはかなり素晴らしい! ちなみに、「源氏蛍の湯」の露天風呂も同様に自然を感じる岩風呂。温泉に浸かりながら広い空を見上げると、何とも言えない贅沢感。都心では味わうことができない空気感に解き放たれた自由さを感じる。来てよかった。 ■サウナ好きに人気なのは「源氏蛍の湯」 サウナも温泉もしっかり堪能したが、ここで「源氏蛍の湯」も紹介。内湯は少し雰囲気が異なるが、「平家蛍の湯」と変わらずのびのび温泉が楽しめる。露天風呂もトンネルのような階段を下りた場所にある。サイズ感もほぼ同じだ。最も違うのはサウナで、ドライサウナのほかに森のサウナがある。 森のサウナはサウナ室の一面がガラス張りになっていて自然を見ながらサウナに入れるようになっている。通常、サウナ室は窓などがなく、あっても浴室が見える程度なので、自然を感じるサウナというのがうれしい。また、オートロウリュがあるほか、セルフロウリュもできるのも魅力。 さらに「源氏蛍の湯」は水風呂も2つあり、森のサウナの横にある水風呂がまたいい。角田山の天然水を100%かけ流しで使用した水風呂で、何というか水がまろやか。これを全身で堪能できるのは贅沢。水風呂のあとはすぐ隣にある森林浴デッキで外気浴を。ここは昼間もいいが、夜に星空を眺めながらの休憩もおすすめなのだそう。 「じょんのび館」ではアウフグースイベントなども実施。施設のスタッフの方やゲストが来るほか、もともとはお客さんだった人がアウフギーサー(熱波師・アウフグースをする人のこと)になって行うケースもある。何ともアットホームだが、これが意外と本格的でファンがいる人も。イベント狙いで訪れるのも楽しそうだ。 ■食事目当ての来館者もいるほど人気の「じょんのび食堂」 温泉とサウナを楽しんだらサ飯!ここには「じょんのび食堂」という食事処があり、これがかなりの人気。和洋中、丼、麺のほか、期間限定メニューやスイーツ、キッズメニューととにかくメニューが豊富。オーダーは食券機だが、どれにするか本気で悩むほどバラエティに富んでいる。 ドリンクも充実していて、アルコールはビールやチューハイのほか、地元の酒造の日本酒がそろっているのも地方らしくていい。お酒好きで運転がなければぜひ「西蒲五蔵の日本酒飲み比べセット(おちょこ5杯)」(980円)を味わってほしい。つまみになるメニューにも事欠かないのもうれしい。といって、ノンアル派なので、サウナドリンクとして推されていた「オロポ」(580円)と「しそポ」(480円)をオーダー。「オロポ」はオロナミンCとポカリスエットだが、「しそポ」は自家製の赤しそジュースとポカリスエットで、どこか懐かしい味わい。 食事は迷いに迷って「にしかん飯7品」(1080円)をチョイス。地元の食材を使った家庭料理で、ガッツリ系のサ飯とは違うが、やさしい味わいでホッとできる。意外と自分以外の人が作る家庭料理を食べる機会がないので、それも新鮮。それにしても野菜がおいしい。 ちょっとガツンとしたものも食べたいと思い、期間限定の「よだれ鶏」(780円)もオーダー。こちらはご飯のおかずだけでなく、おつまみにもぴったり。高たんぱくな鶏ムネ肉を使用し、甘辛で酸味の効いた自家製香味ダレは辛すぎず食べやすい。 サウナのあとはガッツリ、濃い系を欲するという人には「サ飯」カテゴリーのメニューもある。ピリ辛でひき肉と野菜たっぷりの「野菜担々麺」(980円)や、大きな唐揚げの「ユーリンチー定食」(1180円)など食べ応えのあるものばかり。 ■充実したサウナだけじゃない癒やしの空間 サウナ好きの人や「じょんのび館」の常連の人にはおなじみだが、ここにはジョニー江口さんという伝説の店長がいて、食堂の料理を作っているほか、まぐろ解体ショーを行ったり、ビンゴ大会を仕切ったりして、盛り上げてくれる。 イベントもサウナに関するものだけでなく、たとえばスタッフによるバイオリン、ピアノコンサート、簡単ストレッチやネイルチップデザイン体験などのワークショップも行われる。また、月曜日はソフトクリームが50円引きになったり、土日はミネラル泥パックの配布があったりと、ほとんど毎日何らかのイベントがあるので、いつ行っても楽しい。 館内には休憩所や仮眠スペースもあり、日ごろの疲れを芯から癒やすことができる。入館料大人880円で温泉もサウナも休憩もできるというのだからたまらない。食事代はかかるとはいえ、880円で1日中いられるなんて夢のような施設。これはサウナ好きに人気なのもうなずけるし、新潟に行くことがあったら行かないわけにはいかない。地元の人でなくても、旅行や出張などで新潟に行くことがあったら、ぜひ足を延ばしてほしい施設だ。 取材・文=岡部礼子 ※記事内の価格は特に記載がない場合は税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。