【ABC特集】“玄関で授業” “廊下で体育 “定員を超えた詰め込み” 特別支援学校の教室不足 3年前の調査で“全国ワースト”の大阪府 「学校増やして!」と親と教師らが切実な訴え
この訴えに協力してくれる人が、次々に現れました。 (署名した女性)「(Q.どうして署名を?)息子も知的障害なんで。支援学校を出まして」 (8歳の子の母親)「子どもを持つ親としては、絶対に気持ちがわかりますので」 (保育士)「(学校の)いろんな選択肢が広がったらいいなと。自分の子どもも、今度小学生に上がりますし」
署名集めに参加した、小学5年の吉村悠希(はるき)君と、母親のひとみさん(*吉村の「吉」は本来は士の下が長い吉)。 (悠希君)「(チラシを)配って、面白かったです」 (母・ひとみさん)「うれしかったね。もらってもらったもんね。いっぱいね」 重い知的障害がある悠希君。今は地域の学校に通っていますが、支援学校に移る可能性もあるといいます。 (母・ひとみさん)「(教室不足は)知的障害の子の学校だから良いというわけではない」 3年前の調査で特別支援学校の教室不足が、全国ワーストの大阪府。教育環境の改善は、待ったなしです。
子どもたちのために府は少しでも動いてほしい
来年度の予算を決める、2月、3月の大阪府議会。2月14日、東大阪のグループは、学校の建設に予算をつけてもらえるよう、去年5月から集めた2万筆を超える署名を提出しました。また、その2週間後には、大阪府全域のグループが府庁を訪れました。 (清時綾さん)「すぐ近くに支援学校があるにもかかわらず、(息子は)学校を変わらないといけない」「住んでいるところ、地域に根差した支援学校がたくさんできるよう、ぜひ、よろしくお願いします」 「大阪の各地域に学校を作って欲しい」と、2万2000を超える署名を提出しました。
大阪府の吉村洋文知事は…。 (記者)「6人という教室に、最大で12人詰め込まれている」 (吉村知事)「すでに、教育委員会で検討されています。計画も立てて、そして、特別支援学校を充実させていく、増強させていくという方針です」
大阪府は、来月、9年ぶりに、新しい特別支援学校を1つ開きます。また、4年後には、豊中市などに2校を予定するなど、2032年度までには、特別支援学校の教室不足を解消できるようにと、考えています
(清時綾さん)「(支援学校に)今通っている子どもたち、今の子たちはどうなるんかな・・・って」「(大阪府政が)少しでも動いてもらえたらと思います」 速やかに支援学校を増やして、いま、学んでいる子どもたちを助けてほしい。大阪府政を、たくさんの人たちが見つめています。
【関連記事】
- 【ABC特集】「入所施設を縮小」「障害者を地域で」国の理想は障害者と家族を救えるのか 老いてゆく親たちが力尽き命を落とす前に・・・
- 【ABC特集】妻は若年性アルツハイマー型認知症 3度目の5㎞マラソン挑戦で見えてきたもの サポートやリハビリのあるべき姿とは
- 【ABC特集】「“外の世界”を見せてあげたい」重度知的障害の息子の作業所探しに苦闘 介護離職の54歳 続・シングルファーザーのSOS
- 【ABC特集】「母親に手をあげた」「警察に通報された」家庭崩壊の危機を福祉現場が支えた 国内4万人を超える強度行動障害 受け皿が足りない現実
- 【ABC特集】それでも子どもが欲しい・・・「#精子提供」で出産へ ”元女性”の夫と女性の妻が子どもを授かり、出産するまでに密着