阪神・矢野監督の大人数会食を奇妙理屈で「内規違反ではない」と擁護した球団姿勢にネットは批判炎上…「監督は辞任すべき」の声も
夕刊フジの報道によると、球団が許可した矢野監督の会食には、複数の選手も同行しており、それが「監督のチームマネジメント、チーム力強化に資する内容」だったかどうかも甚だ疑問。もし、そのような会合を開くなら、遠征先のホテル内で行えばいいだけの話。これでは、もうチームの内規自体が、新型コロナ感染を予防するという本来の理由からはかけ離れ、形骸化しているものだと示しているようなものだ。 たまたま新型コロナの感染者が出ず、この会食は問題になっていなかったが、全国のいくつかの行政が大人数の会食を避けることを呼びかけているような時期に大人数の会食を許可した球団の判断にも問題がある。社会的責務を負うプロ野球球団がすべき行動ではない。 揚塩球団社長は、この件の責任をも含めて辞任したのかもしれないが、内規を違反した福留らが制裁金の処罰を受け、片方で監督の会食は「許可したからOK」では、処罰を受けた選手も、世間も納得はできない。もし福留が「店を借り切っている」「トレードで移籍した選手の歓迎会でチームの結束を強める会食」との理由で、8人の会食を事前に球団に申し出ていれば許可を与えたのだろうか。 そこで新型コロナの“集団感染“が起きても「許可を与えた」との理由で処分を下すこともなかったのだろうか。たまたま福留らが集団感染を起こし、矢野監督の会食では感染者が出なかっただけではないか。 球団は、現在「外食禁止」を打ち出しているが、その後の対処も含めて、組織のガバナンスの欠如を指摘されても仕方がないだろう。 そして、そもそもまだ観客の人数が制限されている最中に、内規を破る会食を企画し、球団に許可を求めた矢野監督の行動に問題がある。
監督に求められるチームマネジメントとは、メシや酒の席に選手を呼んでモチベーションを高め、規律などの意識を徹底するものではない。 何度か指摘したが、選手が球団の定めた内規を破った背景には、監督、コーチの統率力不足がある。もしチームのフィールド外の行動にも“睨み“を利かせる故・星野仙一氏が監督であれば選手が“暴走“することはなかっただろう。星野氏は中日監督時代に、選手の意識を改革するには生活から改めなければならないとし、遠征先のホテルでは球団スタッフに夜中までロビーを見張らせ、門限破りなどを取り締まった。選手の自主性を無視した星野流の管理野球に批判の声もあったが、チームから甘えの意識を排除して新しい風土を作った。 今の時代に星野流の選手管理術は通用しないのかもしれない。まして矢野監督は自主性を方針のひとつにしている。しかし、現場のトップである矢野監督、コーチが、新型コロナ禍に球団の許可を得たとはいえ、内規を破る大人数の会食を行っていればチームに「監督もやっているんだから」の”緩み“が起きたとしても不思議ではない。チームマネジメントの一環として球団が許可した矢野監督の会食後に福留らの内規違反が起きているのも皮肉な話。むしろ福留らが内規を犯した遠因は、矢野監督の会食にあったのかもしれない。 しかも、矢野監督は、新型コロナの集団感染が起きたことや福留らの内規違反に対するコメントを関西のメディアに求められた際には、自らが8月に大人数での会食を行っていた件を伏せていた。 ここまでくれば矢野流のガッツポーズも「予祝」としての日本一宣言も空言にしか聞こえない。 球団は矢野監督のいったい何を守ろうとしているのか。矢野監督は3年契約を結んでいる。来季はその3年目。巨人と大きくゲーム差を引き離されたが、藤原オーナーはAクラスをキープしている矢野監督を評価しているという。新型コロナの集団感染で大量の選手の入れ替えが起きた非常事態に若手を起用し、先発で結果を出せなかった藤浪を中継ぎという新天地で覚醒させかけている手腕を具体的に褒めたという話も聞く。