【エルムS】好走には「4角前目」が必須条件 京大競馬研の本命は地力の高さNo.1のドゥラエレーデ
4角前目が好走条件
8月4日(日)にエルムS(GⅢ)が行われる。昨年は6番人気セキフウが大外から鮮やかに差し切って勝利するなど近年荒れやすい印象がある。今年も例年通りこのレースから秋の大舞台に羽ばたこうとする実力馬が多く集まり、横の比較がかなり難しい。大混戦模様の難解な一戦となった。 【レパードステークス2024 推奨馬】世代トップクラスの実力、騎手は過去10年で複勝率71.4%! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる札幌ダート1700mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まず札幌ダート1700mのコース形態を見る。正面スタンド前右側からスタートし、初角までの距離は約240m。そこからぐるりとコースを一周する。コース全体として高低差がほとんどなく、コーナーは緩やかで大回りとなっている。最後の直線は約264mというのが今回のコースレイアウトだ。 まず注目すべきは初角までの距離が約240mとかなり短い点だ。スタート後すぐに最初のコーナーに入るコースはそこで先手争いが収まるため、基本的に序盤のペースは落ち着きやすい。しかし札幌は話が違う。各コーナーが緩やかで大回りとなっているため、コーナーに入った後も外からの押し上げが効き、序盤、中盤の先手争いは長引きやすい。コーナーでペースが緩みにくいことに加えて、起伏もほとんどないため、コース形態によってペースが緩む地点がない。序盤の熾烈な先手争いからペースが緩まない、というとハイペースで先行負荷が高い差し有利のレース質に思われるが、最終直線もかなり短いため持続力のある先行馬は残ることができ、完全な差し決着にもなりにくいというのがポイントだ。 本レースの馬券を組む上では、この“脱落戦”における先行馬の残り目と差し馬の台頭の塩梅が最も重要だ。そこについては展開予想と先行馬の構成から後述する。ただ先行馬、差し馬どちらも好走するための鉄則は変わらず、「4角で前目の位置にいること」である。先行馬に関しては終盤に脚色が鈍っても残るだけの十分なリードがあること、差し馬は短い直線でも届く中団前目の位置を終始追走する、もしくは道中マクって4角で押し上げていることが必須である。先行負荷が大きいからと言って、最後方付近から大外を回して差す競馬ではまず馬券内まで届かない。 この傾向は数字からも明らかだ。札幌競馬場で行われたエルムSの直近10回で4角5番手以内の馬の成績は【9-10-7-36】勝率14.5%、連対率30.6%、複勝率41.9%、単勝回収率131%、複勝回収率132%と非常に優秀だ。直近10回で勝ち馬9頭、馬券内となった30頭中26頭が4角5番手以内。やはり4角で前目の位置まで押し上げていることが必須条件だと言える。 序盤、中盤の負荷が大きい脱落戦を残れる地力の高い先行馬、中団好位を追走できる、または道中マクっていける差し馬が恵まれやすいのがこのコースが持つレース質だ。この点を重視して思い印を打っていきたい。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位(海外レースを除く)に3番手以内のある先行馬が6頭と、出走馬全14頭に対して多い。この他にも先行意識の高い馬が数頭いる上に、前述の6頭中5頭は徹底先行。テーオードレフォン、プロミストウォリア、ミトノオーが絶対にハナまで取り切りたいタイプで、先行争いは間違いなく激化する。この3頭を中心に馬群はかなり引っ張られ、縦長の隊列になることが想定される。 この展開で最も恵まれるのは、序盤で前が先手争いをしているところに無理に参加せず、少し控えて中団好位を追走できる地力の高い先行馬だ。その次に道中マクって位置を押し上げられる追走力の高い差し馬が恵まれると考える。またこの展開では騎手の仕掛けどころが重要であるため、鞍上にも注意して印を打っていく。