介護美容で…「最後に爪をキレイにしてほしい」その2時間後亡くなったお客さん 「やりがいは”笑顔”」介護美容に全力を尽くす女性に迫る
介護美容の起業から事業が軌道に乗るまで
志保さんが介護美容スクールに入学したのは、2020年のコロナ禍。 志保さんはさまざまな計画をしていましたが、それがすべてなくなってしまったといいます。大変だったのは、感染症対策のため介護施設に外部の人は入ることができず、介護美容の営業がかなり難しかったこと。 ですが「それでも種まきの時期だと思ってコツコツとできることを続けていました」と前向きに進みました。 そして、コロナが少し落ち着いたころ、徐々にチラシを渡していた施設からいくつか連絡が来たり、外部の人が入れるようになったので体験会を行えたりなど、少しずつ前に進み始めたのです。 そのとき志保さんは、介護士のパートと並行して介護美容の活動を進めていましたが、介護美容の仕事が忙しくなってきたときに介護士の仕事も辞めたといいます。そのときに「少し軌道にのってきたな」という感覚があったそう。 また、Instagramに非常に力を入れていたため、そこから問い合わせも多くなったといいます。ずっとSNSでの発信を頑張っていたため、志保さんの頑張りが徐々に報われてきました。
祖母にネイルやエステを
介護美容への道に進む大きなきっかけとなった祖父母に、志保さんはネイルやエステをすることもあるといいます。 いつもきれいにしている志保さんに「しほちゃんかわいいね~~!!」と志保さんの祖母。 「祖母にはネイルやエステ、お化粧など帰省のたびにしており『お洒落するのはやっぱり楽しいね~』『いくつになっても女は女だね~』ととても喜んでくれていました。施設でお友達に見せたり、職員の方に見せたりして自慢しているようです。祖父は身体を触られることが好きではないので、無理強いせずに爪切りのみ行っています」 ネイルをしてもらった志保さんの祖母は、本当に嬉しそうに爪を見つめていました。
やりがいは「笑顔になった瞬間」
「介護美容を利用したい」と考える人にはどのような人が多いのかを聞いてみると、本人が申し込むよりも、ご家族が予約を入れてくれる方が圧倒的に多いといいます。 その理由として「遠方であまり会いに行けないから美容の時間を楽しんでほしい」「昔からお洒落でマニキュアなど塗っていたから好きだと思って」「足の動きが悪くなってきたからフットトリートメントで血流をよくしてほしい」などという家族からの思いがあると語っていました。 上記すべてのメニューに対応しているため、複数のメニューを予約してくれる方は、その方が負担にならないよう施術の手順を工夫しているといいます。 施術を行った際のやりがいを志保さんはこう話していました。 「やはり一番は、ネイルやメイクが終わった後に皆さんが笑顔になる瞬間にやりがいを感じます。何度も手元を見て『かわいい!』と言ってくださったり、お友達同士で見せ合ったり…そういった瞬間をみるとやっていてよかったなと思います。また、拒否が強い方がいた場合、いろいろなアプローチをしてみて、最終的に施術ができて笑顔まで見られるととても嬉しいです」