介護美容で…「最後に爪をキレイにしてほしい」その2時間後亡くなったお客さん 「やりがいは”笑顔”」介護美容に全力を尽くす女性に迫る
「最後に爪をきれいにしてほしい…」
志保さんには特に印象に残っている人がいます。 それは毎月ネイル訪問している施設で、1年半ほど毎回予約を入れてくれていたAさん。 体調を崩されて入院したと施設から聞き、志保さんは心配していました。そこで、退院したと聞いたのですが、そう長くはなさそうとのことで「次の訪問時に会えればいいな」と思っていました。 ちょうど次の訪問の日、施設長から「朝急変して家族も来ているから、今日はネイル無理だと思う」と告げられたのですが、その後「ご家族が最後に爪もきれいにしてほしいと言っているからできる?」と聞かれ、志保さんは対応することに。 「私が11時頃ネイルを行い、その後13時にAさんはご逝去されました。まるで私を待っていてくれたかのように、最後にお会いできて、きれいにできてよかったなと感慨深く思っています。施術中もご家族に見守られ、写真もたくさん撮ってくださり、いい時間を過ごせました」とそのときのことを振り返りながら話していました。
チームでより多くの施設に訪問していけるように
今後、志保さんは介護美容を通して「何歳になっても美容は楽しめる」「施設に入居しても美容を諦めなくていい」ということを伝えたいと話します。 また「私の働き方を見て、夢や目標を諦めずに頑張ってくれる方が増えたら嬉しいです」と。 現在一人で介護美容を行っている志保さんですが「一人では訪問できる施設や対応できる人数に限界があるため、今後はチームでより多くの施設に訪問していけるようにしたいと思っています」と目標を語ります。そして、現在その仕組み作りを行っていると話していました。 「歳だから」「介護が必要だから」と今まで当たり前だったことを諦めなくていい、という思いで施術をする志保さんの目はネイルのようにキラキラ輝いていました。また、施術をした方も自然と笑顔になっている様子も伝わります。 志保さんは夢を諦めずに頑張り続けた結果、多くの方を笑顔にできました。こうした介護美容は今後、見た目だけではなく心身面も前向きにしてくれる大切なものとなるでしょう。そして、これからも志保さんの挑戦は続いていきます。
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