キャンセル落ちユーザーを再購入に導く新たなマーケティング「キャンセルリカバリー」とは? TシャツECの後藤社長に聞く
Tシャツ専門のECサイト「Tshirt.st」を運営しているTshirt.stの後藤鉄兵代表取締役は、購入をキャンセルしたユーザーに対する再購入を促す新たなマーケティング「キャンセルリカバリー」の実践、バックヤードのシステム化による改善など、EC業界でも先進的な取り組みに着手している。後藤氏に、独自の取り組みによる高い再購入率、業務効率化につながっている理由を聞いた。
キャンセル後の購入につながるマーケティングに強み。約7割が再購入するワケとは
■ 年間約140万枚のTシャツを販売。「年中無休のキャンセル対応」「キャンセルリカバリー」に特徴 ――Tshirt.stの特長を教えてほしい。 Tshirt.st 後藤氏(以下、後藤氏):「Tshirt.st」は、国内最大規模の業務用Tシャツ専門店。24時間365日、キャンセル手続きを自動で受け付けて、ユーザーの買い物体験向上を図っている。キャンセル手続きは、スタッフがすべてを対応するのではなく、システムで自動処理できるようにしている。キャンセルしたユーザーには、クーポンを付けたメールを配信するなどして再購入を後押しするマーケティング「キャンセルリカバリー」を実践している。「Tshirt.st」では“キャンセル落ち”ユーザーの6~7割が再購入につながっている。
EC専業で年商規模は約13億円。売上高は毎年前年比5~10%増で推移している。年間販売枚数は約140万枚で、出荷件数は約30万個。ある程度のマーケットシェアを獲得していると認識している。
従前は一定の割合で発生するキャンセルが運営上の課題となっていたが、自動キャンセル対応を整えたことで、キャンセル処理をするスタッフのコストは導入前と比べて60%減、再注文も大幅にアップした。再注文は、システムの開発当初から6割ほどだった。現在は7割を超えており、成長し続けている。 現在、スタッフの数はアルバイトを含めて12人。少数精鋭で運営できている。 ――ECを運営する上で重要視していることは。