NASA火星探査ミッション「ESCAPADE」打ち上げ延期 2025年春以降に
アメリカ航空宇宙局(NASA)は2024年9月6日付で、2024年10月に予定されていた火星探査ミッション「ESCAPADE(Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers)」の探査機打ち上げを延期したと発表しました。 今日の宇宙画像 ESCAPADEは宇宙天気(太陽活動による宇宙環境の変動)に対する火星のリアルタイムの反応や、火星の弱い磁気圏が時間とともに変化する様子を明らかにすることを目的としたミッションで、アメリカの民間宇宙企業Rocket Lab(ロケットラボ)が製造した「Blue(ブルー)」および「Gold(ゴールド)」と名付けられた2機の探査機が火星を同時に周回しながら観測を行います。NASA科学ミッション総局副管理者のNicola Foxさんは本ミッションの意義について「私たちが太陽系のより遠くまで探査し、宇宙天気から宇宙飛行士や探査機を保護する上で重要な情報を提供するものです」と述べています。 ESCAPADE探査機はアメリカの民間宇宙企業Blue Origin(ブルーオリジン)が開発中の新型ロケット「New Glenn(ニューグレン)」の初号機で早ければ2024年10月13日に打ち上げられる予定でした。NASAによると、New Glennの打ち上げが延期されて探査機から推進剤を取り出す必要が生じた場合のコスト、スケジュール、技術的課題を回避するため、発表時点では探査機への推進剤の充填を行わず、打ち上げ時期を延期する決定が下されました。 地球から火星へ探査機を送り出すのに最適な時期は限られているため、わずかなスケジュールの変更であっても打ち上げ時期は数か月遅れる可能性があります。NASAはBlue Originと協議を続けており、ESCAPADE探査機は早ければ2025年春に打ち上げられる予定だということです。【最終更新:2024年9月10日12時台】
sorae編集部