お湯の注ぎ方で、コーヒーの味や香りを自在にコントロールできる。HARIOの「V60 透過ドリッパー」
こちらはドリッパーの内側が渦巻き状のリブ付きではなくて、注いだお湯がスターライン(星形)の溝を伝って、ゆっくりと抽出される構造になっている。 だから「蒸らし」工程や、お湯を何回も分けて注ぐのが面倒だという人、また急いでコーヒーを淹れたいときにオススメ。「蒸らし」なしでドリッパーに一気にドバっとお湯を注いでも、じっくり抽出したものに近い、濃厚な味や香りのコーヒーが作れる。 確かに簡単に味わい深いコーヒーが抽出できるので、筆者もこのドリッパーを、外出前などでじっくりドリップ作業をする時間がないときに使っている。 抽出にこだわらず、できるだけ楽に簡単にペーパー式のハンドドリップでおいしいコーヒーを淹れたいという人には、最適のドリッパーだと思う。 筆者と同じハンドドリップ派のあなたはいま、どんなドリッパーをお使いだろうか? もしその道具が「いまひとつ」だと思っているならこの定番を試してみては? 文・写真/渋谷ヤスヒト ■ 渋谷ヤスヒト しぶややすひと 時計ジャーナリスト、モノジャーナリスト、雑誌編集者。大学法学部入学後、書評誌「本の雑誌」の助っ人を経て卒業後は出版社で文芸編集者、モノ情報誌の編集者に。食品からおもちゃ、文房具、家電、スマートフォンやPC、時計、クルマ、ファッションまであらゆるジャンルで「本当に良いモノ」を追求した記事を企画・編集・執筆中。時計ブーム最初期の1995年から開始したスイス時計の現地取材がライフワーク。編著書にセイコー腕時計の歴史をまとめた「THE SEIKO BOOK -時の革新者セイコー腕時計の奇跡」(1999年刊・絶版)がある。
渋谷ヤスヒト