お湯の注ぎ方で、コーヒーの味や香りを自在にコントロールできる。HARIOの「V60 透過ドリッパー」
お湯を注ぐドリップポットは、Kalita(カリタ)の定番「SS ケトル 700」。そしてコーヒーミルは、同じハリオの定番「セラミックコーヒーミル・スケルトン」を使っている。これはコーヒー豆を砕く臼がセラミック製でいつでも丸洗いできるし、挽いた粉を受けるガラス容器がそのまま保存容器になるという便利なもの。だから少し多めに挽いて、2~3回ならすぐに淹れられるようにしている。 ■■ハンドドリップの淹れ方 また、高価なこだわりのコーヒー豆を手に入れたときは、この3つに加えて、デジタル表示の付いたスケール(はかり)と、お湯の温度を測るデジタル温度計を使うこともある。コーヒーを淹れるとき、お湯の温度と量をしっかり管理するためだ。 コーヒーカップとドリッパーをスケールに載せて表示をゼロリセットして、ドリップポットのお湯の温度が適温かを温度計で確認。ドリッパーに注ぐお湯の量を確認しながら注いでコーヒーを淹れる。これはコーヒーマニアのハンドドリップの正統派の淹れ方だ。 でもふだんは使わない。お湯の温度も量も本当に「適当で」入れている。それでも専門店の味に近いと自分で思う美味しいコーヒーが淹れられるから。コーヒーはこだわり出すときりがない。もちろんそれが楽しいのだけれど、ほどほどにしている。 今回はこの道具の中でもいちばんの主役「V60ドリッパー」を、なぜ愛用しているのか。どこが気に入っているかをお伝えしたい。 このドリッパーを愛用している人が語るその魅力は、 1)珈琲粉の層が深くなる「円すい形」で、しかもお湯の流れる速さをゆっくりにする長いスパイラルリブを採用しているので、コーヒー粉の膨らみを妨げず、コーヒーの旨みがしっかり抽出できること。 2)ドリッパーの底が大きなひとつ穴なので、素早く注げばスッキリ味、ゆっくり注げばコク深い味と、お湯を注ぐ速度でコーヒーの味が変えられること。 このふたつ。だから「ネルドリップの美味しさとペーパードリップの手軽さ」を両立しているというのが、このドリッパーについての一般的な説明であり評価。 では実際にどうなのか。筆者にとってどこがどう魅力的なのか。 個人的にこのドリッパーのいちばんの魅力は、次の2つ。 ひとつは、お湯を注いだとき、他のドリッパーより気持ち良くコーヒー粉が膨らんで「いい感じ」で抽出ができること。 粉の膨らみは、美味しいコーヒーが抽出できているかどうかの大きな目安。その点、このドリッパーは期待通りにコーヒー粉が膨らんでくれるので、使っていて安心だし気分良く使える。