カスペルスキーの脅威動向レポート、悪意あるファイルは1日平均46万7000件に
カスペルスキーは、年次のサイバー脅威動向レポート集「Kaspersky Security Bulletin」で、2024年にカスペルスキー製品が検知したサイバー脅威の数字についてまとめた。24年1月から10月までの10カ月に検知した悪意のあるファイルは1日当たり平均46万7000件にのぼり、前年同期比で14%増加したことが明らかになった。特定の種類の脅威が増加しており、トロイの木馬の検知数が33%増となった。 今年も依然としてWindowsが主な攻撃対象であり、Windows向けのマルウェアは24年1月から10月までに検知したマルウェア全体の93%を占めている。そのほか、さまざまなスクリプトやMicrosoft Officeの各種ドキュメント形式を介して拡散されるマルウェアファミリーも含め、Windowsを狙うマルウェアは全体の上位3位を占め、1日当たりに検知した悪意のあるファイルのうち6%となった。 前年の同期間と比較すると、検知したWindows向けのマルウェアは19%増加している。最も拡散されたマルウェアの種類は、これまでと同様、トロイの木馬(正規のソフトウェアに見せかけた悪意のあるプログラム)で、33%と急増した。また、標的のコンピューターやスマートフォンにほかのマルウェアを送り込むように設計された悪意のあるプログラム「Trojan-Dropper」の使用も2.5倍になった。 今回のレポートで注目すべき点は、同社が設置したTelnet・SSH接続のハニーポットを用いて観測したIoT機器を狙う攻撃で、日本が攻撃元デバイスをホストする国の上位5位に初めてランクインしたこと。過去数年間を通じて、わずかながらも一定の上昇傾向が見られるため、今後も引き続き注視していく必要があるとしている。