なでしこが世界一を決めた伝説のゴール、澤穂希は「宮間しか見えなかった」…明かされる伝説の瞬間
サッカー女子元日本代表で、2011年女子ワールドカップ(W杯)では主将としてチームを優勝に導いた澤穂希さんが、読売新聞ポッドキャスト「ピッチサイド 日本サッカーここだけの話」に出演。W杯優勝を引き寄せたアメリカ戦の歴史的ゴールをMCの元男子日本代表の槙野智章さんと振り返った。
最強アメリカに挑戦
2011年の女子W杯ドイツ大会決勝では、日本代表がそれまで一度も勝てていなかったアメリカ代表が相手だった。当時のアメリカ代表は世界ランキング1位。W杯も過去に2度優勝しており、2008年の北京五輪も制していた。ドイツ大会直前に行ったアメリカ遠征で親善試合を戦ったが、0―2、0―2で歯が立たなかった。
当時の対戦成績は日本の0勝3分け21敗。総得点は日本の13点に対し、アメリカは70点。「チャレンジャーとして臨む試合」。佐々木則夫監督(当時)が試合前に語った言葉を借りずとも、下馬評は圧倒的にアメリカ有利だった。
試合はアメリカに2度リードを許しながら、2度同点にする驚異的な粘りを見せた。
澤さんのゴールが生まれたのは、アメリカ1点リードでむかえた延長後半12分。日本がコーナーキックを獲得。直前のプレーでアメリカのGKソロが倒れてゲームが一時中断し、日本側もコーナーキックの戦略をメンバーで話し合えた。
「キーパーが倒れたじゃないですか。時間稼ぎなんですよ、わざと。逆にあれがあったから、みんなと話す時間ができてありがたかった。あそこに阪口(夢穂)、熊谷(紗希)、岩清水(梓)、宮間(あや)がいて、じゃあ誰がどこに入るって」
高さで圧倒的に劣る日本が、コーナーキックでどう打開するか。
「(アメリカは高さがあるから)直接ヘディングで戦ってもたぶん無理だから、ニア(サイド)でそらして変化をつけた方がいいんじゃないかって話して。じゃあ、自分はニアに行くわって。得意だから。宮間は私が(ニアに)入ってくるまでずっと見てるんですよ」