高校で負け続けた関学にリベンジするため関東へ 大学4年で迎える最後の関学戦「勝って甲子園ボウルで両親に恩返しを」
関学WR五十嵐に、去年の借りを返す
法政大に入ってから、関学とはこれまで2度対戦した。1度目は大学1年時の甲子園ボウルだ。「全然思うようにプレーさせてもらえず、負けてしまいました」。宿敵と対戦する最初の舞台で出場機会を得た。がむしゃらにタックルに行ったが、全く通用しなかった。 3年生になった昨年は、主力として試合に出た。「『今の自分ならいける!』っていう自信はあったんですけど、前半の最初の方に6番の五十嵐(太郎、3年、関西学院)くんにロングパスをいかれてTDまで持ってかれました」 法政にも高津佐隼世(3年、佼成学園)や須加泰成(3年、足立学園)ら、上手なWRはいる。しかし五十嵐のスピードは別格で驚いたという。 「足がとんでもなく速かったのでびっくりしました。あのときはマンツーマンで抜かれたので、そこに重きを置いて練習してきましたし、今は自信を持っています。スピードでも負けないように走り込んできましたし、ファンダメンタルも見直しました。彼には屈辱的な負け方をしたので、絶対にやり返して関学を倒したいです」 この1年間、練習の1プレー1プレーでビッグプレーを狙ってやってきた。常にターンオーバーを狙うこと、そしてそれが試合の勝敗に直結するという責任感は、これまでの3年間とは比べものにならないくらい大きい。
ビッグプレーで関学を破り、両親に恩返しを
最後の関学戦が数日後に迫っている。小田は7年間の思いを、全力でぶつけにいく。 「何がなんでも勝ちたいって気持ちが一番です。もちろん自分が活躍しますし、1プレー1プレーに思いをかけてやりたい。チームを勝利に導くようなビッグプレーができたらいいなと思っています」 小田にはこの試合を見せたい人がいる。それはくしくもミノジのコーチをしていた関学大OBの2人だ。「今の僕があるのは、片山(薫平)さんや小椋(拓海、オービック、ともに18年卒)さんのおかげなんです。小椋さんとは、コロナ期間に毎日一緒に筋トレをしていました。お二人は関学の人ですが、見ていただきたいなと思っています」 大阪から関東に出てきて、プライベートもアメフトも「日本の誰よりも楽しんだ4年間だった」と小田は言う。 「最高の4年間を一緒に過ごしてくれたチームメート、関東に送り出してくれた両親にはとても感謝しているので、関学戦に勝って甲子園で恩返しできたら」 11月30日、小田は江戸川区陸上競技場で関学に雪辱を果たせるか。青の6番と、オレンジの2番の勝負に注目だ。その先に、3度目の甲子園ボウルが見えてくる。
北川直樹