【40代・50代におすすめ「おとな北欧旅」】憧れの陶磁器ブランド「グスタフスベリ」の工場に潜入!
「日本人アーティスト、鹿児島睦さんのアイテム、ピンクの花柄がかわいい『Maj(マイ。スウェーデン語で5月の意味)』もありました。グスタフスベリが、鹿児島さんのプロダクトを手がけるのは今回が二度目で、オスカルさんは最初に依頼した当時を振り返り、次のように語りました。 『睦に、私たちの工場でぜひ作らせてほしいと伝えると、私たちのボーンチャイナを讃え、『日本ではこれほど白い磁器を見つけることができません。ぜひお願いしたいです』と言ってくれたんです。大変光栄なことでした』
「また、2024年春に92歳で逝去したリサ・ラーソンとの最後のコラボレーションアイテム『シックステン』も。リサさんが描いた円がプリントされています。 オスカルさんは『シックステンは、スウェーデンではよく猫の名前で使われる言葉。リサは猫のフィギュアをたくさん手がけてきたので、ぴったりだと思いました。それと同時に、リサは、この作品の黒い線と白いスペースの比率が、美しいとされる黄金比の6 対10であることも理由に挙げていました』と教えてくれました」
「模様を施したら、釉薬をかけ、再び窯に入れて1100℃で24時間焼き、完成です。 ここまで見てきて、いかにグスタフスベリのものづくりが丁寧で、厳選した材料を使い、熟練の職人たちの手によって作られているかがよくわかりました。現在、陶磁器ブランドの多くは、国外に工場を構えています。今なお自国に、しかも首都ストックホルムの創業の地に工場を持ち続け、製造しているのは、グスタフスベリ以外にないと言っていいでしょう。 それについてオスカルさんは、『他のブランドがアジアなどに工場を持ち、ローコストで利益を上げる一方、グスタフスベリは1825年以来、約200年間、ここで作り続けています。私たちはコストがかかっても自分たちの手で良質なものを作りたい。そして、そういった良質なものにこそお金を払いたいというお客様がいらっしゃるのです』と語ります。 ジャンルは違えど、私も20年以上、本作り、もの作りに関わってきたクリエイターとして、背筋が伸びるお話でした」