更年期症状による離職者は女性46万人、男性11万人にも。「更年期ロス」を防ぐ方法を高尾美穂医師が解説
自律神経を整える生活習慣
自律神経は本来、自分の意思ではコントロールできないものですが、そのように体を使ったり、環境を整えたりすることで、ある程度コントロールできます。「自律神経をコントロールできる人」になれるように、生活を工夫してみましょう。 (1)毎朝、同じくらいの時刻に起き、日光を浴びる 生活のリズムを整えることで体内時計が正しくセットされ、自律神経のバランスが整います。また、朝、日光を浴びるとその約14~16時間後に眠りを促すホルモンであるメラトニンが分泌されて、スムーズに眠りにつけます。 (2)日中は適度な運動をして、体をよく動かす 適度な運動は、不眠やうつを改善するほか、自律神経のバランスを整える効果があります。日中に意識的に体を動かすことでぐっすり眠れるように、翌日に疲労が残らない程度の運動を行いましょう。 (3)夜は早めに休み、十分な睡眠時間をとる 眠りにつくときに副交感神経が優位になり、朝起きると交感神経の働きが徐々に高まっていくという自律神経の自然なリズムが保たれるには、質の良い睡眠をとれていることが大切です。質の良い睡眠とは十分な時間が確保され、途中で目が覚めたり、起きた時に疲労感が残っていたりすることのない睡眠です。体と脳の疲労を回復させ、細胞を修復するためにも睡眠は重要です。 (4)ゆっくり呼吸する ここで紹介する「1分間に6回のゆっくり呼吸」や、ゆっくりした呼吸をしながら行うヨガもお勧めです。 【1分間に6回のゆっくり呼吸】 「4秒で吸う」「6秒で吐く」の呼吸をくり返しましょう。 10秒で1呼吸、1分間で6回のゆっくりした呼吸です。 ゆっくりした呼吸をするだけで副交感神経の働きが高まります。 (5)自分なりのリラックス法を見つける アロマテラピー、ヒーリングミュージックを聴く、大人の塗り絵、写経、漸進的筋弛緩法(力を入れ、そのあと一気にゆるめることをくり返す)など、自分に合う方法を見つけて生活に取り入れましょう。