年金の繰下げを後悔しているわけではありません…75歳アルバイト従業員「年金月14万円」に増額も悔し涙を流す理由
内閣府の調査では8割の人が「老後の生活は年金がベース」と回答。そんななか月受取額を増やそうと「年金の繰下げ」を選択する人が増えています。5年で42%、10年で84%も年金受取額が増えるわけですから、当然といえば当然ですが、それでも年金に対して後悔の念を抱く人は後を絶ちません。 【ランキング】都道府県「年金月受給額」…1位「神奈川」2位「千葉」、東京や大阪の順位は?
年金「月10万円」…繰下げ受給で「月14万円」に増額
現状、老齢年金の受給開始は65歳です。希望すれば60~75歳で受け取ることができ、60~64歳と本来よりも早めに受け取る制度を「年金の繰上げ受給」、66~75歳と本来よりも遅く受け取る制度を「年金の繰下げ受給」といいます。 厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、基礎年金のみ受け取る3,433万6,,782人のうち、繰上げを選択している人は369万3,670人で全体の10.8%。一方で繰下げ受給を選択している人は67万2,466人で全体の2.0%でした。過去5年の変化をみていくと、繰上げ受給者は全体の12.9%から10.8%と減っているのに対し、繰下げ受給者は1.3%から2.0%と増加しています。 また厚生年金も受け取る2,804万5,102人のうち、繰上げを選択している人は20万6,757人で全体の0.7%。一方で繰下げ受給を選択している人は37万4,481人で全体の1.3%でした。過去5年の変化をみていくと、繰上げ受給者は全体の0.3%から0.7%、繰下げ受給者は0.7%から1.3%と、どちらも増加しています。 繰上げ受給の場合は、1ヵ月年金受給を早めるごとに0.4%ずつ減額(昭和37年4月1日以前生まれの場合は0.5%)。一方で繰下げ受給であれば、1ヵ月年金受給を遅らせるごとに0.7%ずつ増額となります(昭和27年4月1日以前生まれの場合は、繰下げの上限年齢が70歳まで)。高齢者となっても働く人が増え、「給与がもらえるうちは年金は受け取らない。年金の受取額が増えたほうがいいし」と、繰下げ受給を選択する人が増えているようです。 アルバイト従業員、田中昭さん(仮名・75歳)も繰下げ受給を選んだひとり。65歳から受け取れる年金は月10万円ほどでしたが、70歳まで繰り下げたことで42%アップ。現状、月に14万円強を手にしているといいます。
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