「ちょっと外してあのコースに…」板倉滉が被弾後に語った堂安律の“怖さ”。自身への対策には「後半、消された」【現地発コラム】
「守備の意識は上がっている」
サッカーは数試合ですぐ状況が変わるものだ。日本代表DFの板倉滉がプレーするボルシアMGは、10月が終わった段階でブンデスリーガの順位が中位以下の11位。加えて、フランクフルトとのDFBカップでは相手が18分に退場者を出しながら、その優位性を生かせずに1-2で敗れていた。 【動画】板倉の眼前で決めた堂安律の鮮烈ゴラッソ さらに試合後の記者会見でジェラルド・セオアネ監督が「数的有利になったことでゲームプランがうまくいかなかった」というニュアンスのコメントをしたものだから、ボルシアMGファンは怒り心頭だった。 11月の戦績いかんでは監督解任もありうるという識者の見解が少なくなかったなか、風向きが変わってきた。11月最初の第9節ブレーメン戦に4-1で快勝すると、RBライプツィヒとはスコアレスドローだったものの、11節のザンクトパウリ戦は2-0で勝利。順位を一気に6位にまで上げると、チームもファンも途端に自信に満ちたコメントをするようになっていた。 12節のフライブルク戦は、堂安律のゴールなどで3失点を喫し、リーグ6試合ぶりの敗戦を喫したが、チームとしての戦いぶりには積み重ねられてきたものを感じられた。 守備面で選手間の距離がうまく整理されており、選手それぞれがやるべきタスクをしっかりと理解している。不用意な動きで変なスペースができる場面が昨季はあったものだが、今のチームは非常に秩序立ったコンパクトさを保てている。板倉もフライブルク戦後に、手ごたえを話していた。 「そうですね、そこが去年と比べて一番チームとして良くなってきているところかなと思います。(前から)ハメに行きたいという思いも持ちつつ、ただそれだけじゃなくて、ブロックを作って、なるべく高い位置で守備ラインを設定して、自分たちで中盤のスペースを大きくしない。そこを(昨季まで)よく使われていたんで、今年に入ってみんなの意識も良くなってると思います。あとちょっとのところでの失点とか、いろいろ改善する部分はあるかなと思いますけど、球際だったり、守備の意識は上がっている」 個人、そしてチームとしての対応力のさらなるアップを望んでいる。フライブルク戦は前線にヘディングの強いオーストリア代表FWミヒャエル・グレゴリチュとルーカス・ヘーラーを起用して、ビルドアップで詰まりそうなときはうまくチップボールを飛ばし、セカンドボールを堂安やビンツェンツォ・グリフォが回収する仕掛けを見せていた。 ボルシアMGはCBが守備ラインに残るのではなく、マンツーマンでそれぞれの選手を抑えに行ったが、大事な競り合いで負けたり、板倉が前に出たときにできたスペースに味方選手が絞り切れずにフライブルクの鋭い攻撃を阻止しきれずにいるシーンがそれなりにあった。 「はまっていないというよりは、1対1のところで(相手FWの) グレゴリチュが強かったので、そこが起点になって失点にもなっていた。あそこの勝負のところはこだわらないといけないけど、それ以外の周りのカバーというところも課題になってくる。ああやってやられていたらダメだと思うので、そこら辺の距離感とかはもうちょっと直していかないといけないと思います」 また、ゴールを許した堂安については、「(DFを)外してからの振りまでが速かった。ちょっと外してのシュートであのコースに打たれるというところは律のクオリティ」と、その怖さを語った。
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