今、ク・ハラさんを振り返る 私費で東日本大震災被災者のため寄付
芸能界でも東日本大震災から10年を前にして、震災直後から被災地支援活動を続けてきたお笑いコンビ・サンドウィッチマンが宮城県知事を訪れ総額約1425万円の義援金を贈呈するなど、さまざまな動きがみられる。そんな今こそ、政治的には難しい問題を抱える韓国のアーティストでありながら、いち早く被災者を支援するため寄付するなど日本とも馴染みの深かった元KARAのク・ハラさん(享年28)について振り返ってみたい。
順風満帆ではなかった波乱の人生
ハラさんは2019年の11月24日、ソウル市内の自宅で死亡しているのが発見された。自身のインスタグラムを23日に更新、ベッドらしきところに横たわってカメラに目線を向け、韓国語で「おやすみ」とコメントを残した。前年には元交際相手と暴行などをめぐり告訴合戦を繰り広げたハラさんだったが、この年の6月には芸能人としての活動拠点を日本に移しプロダクション尾木の所属となって心機一転、新たなスタートを切っていた。 「その6月にはテレ東音楽祭に生出演してKARAの日本デビュー曲である『ミスター』を熱唱したり、その後もLINE LIVEで韓国の自宅から配信を行ったり、福岡、大阪、名古屋、東京をめぐった全6公演のツアーも成功させたばかりでした。久々、明るいニュースに喜んでいた矢先の突然の悲報に日韓両国のファンは大きなショックを受けました」(テレビ情報メディア30代女性編集者) ハラさんはプライベートではDVなどの被害やうつ病、ネット上の悪質なコメントにも苦しんでいたといわれる。昨年の10月には、ハラさんを暴行・脅迫した容疑で裁判を受けていた元交際相手のチェ・ジョンボムに対しては懲役1年の刑が確定した。 「ハラさんは9歳のとき実母が家出、2歳上の兄と祖母の手によって育てられました。そんな波乱万丈の人生を物語るかのような出来事が、ハラさんの死後に起きています。約20年間ずっと音信不通だった実母が、ハラさんの葬儀に弁護士をともなって姿を見せ遺産相続を主張したんです。これに対しハラさんの兄は『長年に渡って養育を放棄していた実母に財産を受け継ぐ資格はない』と、昨年、養育や扶養義務を放棄したり虐待などをした親の相続権を剥奪して欲しいとの立法請願を国会に提出しました。これが『ク・ハラ法』です。ただしこのときは国会の会期的な事情から期限切れとなり、実母は裁判でハラさんの遺産の40%を相続できるという判決を勝ち取っています。法案については今年1月に韓国法務部が民法一部改正法律案を立法予告したことを発表し、推進中です」(週刊誌40代男性編集者)