派兵でウクライナ戦争に学んだ北朝鮮、今は核より各種無人機開発に熱中
北朝鮮の無人機は、米国製やロシア製、イラン製、中国製の無人機にそっくりだ。 外形を似せた無人機を、北朝鮮独自で製造しているように見せかけているのは北朝鮮の常套手段なのだが、実に滑稽なことである。 【戦略変更を示す写真】今年8月、試験場に登場したロシア製とイスラエル製無人機 北朝鮮人民の目はごまかせても、各国の軍事専門家が見れば、どこの国のものを模倣したのか、形だけなのか、簡単に判別がつく。 北朝鮮が開発し公開してきた無人機の外形が世界各国のものと酷似している(模倣)のはなぜなのか。 その性能は形に見合ったものか。 北朝鮮は今何を作ろうとしているのか。 そして、それらが今後どれほどの脅威になるのかを今回は考察する。 まず、北朝鮮の無人機の開発について登場した年代順に説明する。
■ 1. 約10年前に登場した時代遅れの無人機 約10年前に北朝鮮が使用していた無人機には、北朝鮮が韓国に侵入させた無人機2種類とパレードに登場させた1種類の合計3種類があった。 2014年に発見された全長約1.2メートルの偵察と自爆用、2017年に発見された全長1.8メートルの偵察用無人機だ。 1.2メートルの小型のものは、中国の大原航友航空科技有限公司の「SKY-09」と同じ形で、偵察にも使えるが自爆用にも使用できる。 その特色は、全体の形と頭部に角のようなアンテナが取り付けられていることだ。 頭部のアンテナは、後述の平壌に侵入しビラを投下した無人機の特色と一致している。 写真1 中国と北朝鮮の無人機 2015年10月の軍事パレードに登場したのは偵察用だ(写真2)。 これら3種類の無人機は、監視用のカメラが設置されているが、撮影した画像をリアルタイムに送信できない。 そのため、定められたコースを飛行して写真を撮影し、帰投するだけの能力しかない。 写真2 2015年10月軍事パレードに登場した北朝鮮無人機 米国製の無人偵察機「グローバルホーク」が2004年、無人攻撃機「プレデター」が1995年の運用開始であることから、北朝鮮の前述の無人機は、かなり時代遅れの兵器であった。