派兵でウクライナ戦争に学んだ北朝鮮、今は核より各種無人機開発に熱中
■ 2,米国製に酷似の無人攻撃機が登場 2023年7月、北朝鮮解放70周年軍事パレードにロシアのセルゲイ・ショイグ国防相(当時)が列席している中で、米国製の「MQ-9 リーパー」無人攻撃機に酷似した無人機が牽引車に載せられて登場した。 また、「RQ-4 グローバルホーク」無人偵察機に酷似した無人機は飛行して登場した。 写真3 米国製に酷似した北朝鮮の無人機 米国製のものと外形上はほぼ同じであるが、異なるのは、機体に北朝鮮国旗、北朝鮮人民軍空軍と書かれた文字があり、北朝鮮空軍らしいマーク(これまでのものとは異なる)が描かれていたことだ。 約10年前は、定めた飛行ルートを日本の小型カメラを搭載して飛行していたのに、10年後には世界でトップレベルの米国製無人機と同じ形の無人機を登場させたことは、驚きだった。 誰もが現実にはあり得ない「張子の虎」無人機であると考えた。 同じ時期に、「武装装備展示会-2023」に、金正恩総書記とショイグ国防相が訪れた。 金正恩がショイグ国防相を案内して、北朝鮮が製作したとみられる兵器を紹介した。 その際にも、前述の米国製酷似の無人機が展示してあった。 この時、朝鮮中央通信は次のように解説していた。 「金正恩総書記は、ショイグ国防相に最近、北朝鮮の国防発展計画に基づき研究、開発、生産した兵器について紹介し、発展戦略について話し合った」 北朝鮮はショイグ国防相に、ここに展示しているすべての兵器を自国で開発・生産したと話したのだ。 とはいえ、米欧や日韓の国防関係者は、北朝鮮が米国レベルの無人偵察機や無人攻撃機を独自に製造できるとは、誰も信じていない。 おそらく、ショイグ国防相も、ロシアが製造できないものを北朝鮮ができるはずはないと思いながら、これらを見たことだろう。 その際、ショイグ国防相は、目の前のパレードに登場した米国製酷似の無人機よりも監視しながら目標を攻撃できる小型の徘徊型無人機の方がウクライナ戦争で活躍していることを金正恩総書記に伝えたと考えられる。 さらに、ショイグ国防相は、北朝鮮がこれらの無人機を製造できるのであれば、ロシアに供給してほしいと言ったのではないか。