「上司の一言がガツンと刺さった」マーケター1年目に学びたいコト
私が事業会社にいたとき、上層部から「こういう目的を達成したいから、そのための企画を出して」と求められたのですが、伝言ゲームのようにいろんな人が間に挟まるにつれて、だんだん「目的」が忘れられ、「目標」だけがこちらに落ちてくるということがありました。 そのような状態で企画を考えて、上司に説明すると、「それじゃ目的を達成できないよね?」「目的と目標を混同していない?」と言われてしまうことが多かったです。 [富家氏] 目的と目標の混同は、支援会社もよく陥りますよね? [村石氏] 支援会社は特に失敗がしづらいので、事なかれ主義に陥る人が多い印象を受けます。クライアントが本来成し遂げたい目的ではなく、「他社がやっているから、うちもやりたい」など、短期的な目標に沿った提案を考えてしまいがちです。 [富家氏] 現在はマネージャーという立場かと思いますが、自社のメンバーが目的を見失いそうになったら、何と声をかけるんですか? [村石氏] 「それはゴールドリブンなの?」「この施策を実行して、結局どうなるの?」と問いかけます。今、自分が支援会社のマネージャーになって、当時の上司と同じことを言っているのは自分でも意外です。 [辻本氏] 僕も「目的→戦略→戦術」という順番で考えることはとても大事だと思っています。マーケター1年目は特に思考が「おもしろい施策をやりたい」といった戦術(How)に偏りがちになって、“バズ”だけを求めてしまうことがあります。「当初何をしたかったか」の目的に立ち戻ることはとても大切です。 ■ 富家氏:「足りてないのは知識や経験じゃなく解像度」 [富家氏] 僕が1社目の通販会社で、掃除機の訴求文を考えていたときのことです。デスクに座って、訴求ポイントについて「吸引力かな? 重さかな?」と考えていたんですが、その時に上司から「とりあえず掃除機を使ってみな」って言われたんですよね。