動物性食品の過剰摂取に要注意。腎臓の老化を抑える食習慣(専門家が監修)
自炊をほとんどしない、コンビニ食やファストフードをしょっちゅう口にする、試しに計算サイトで腎機能を測定してみたら、「軽度低下」という結果に。そんな人は即、慢性腎臓病(CKD)予防に有効な食生活導入を。腎臓老化を防ぐヒントがここにある。[取材協力/高取優二(埼友草加病院外来医長、日本腎臓学会専門医・指導医)]
外食・中食を必要最低限にする
「現代人にとってリンが不足するということはまずありません。とくに40代の男性であれば不足より断然過剰摂取が問題です」 過剰摂取の原因は加工食品の常食。リンの中には有機リンと無機リンの2種類があり、前者は肉や魚などの生鮮食品、後者はハムやベーコン、インスタント食品、ファストフードなどに多く含まれる。 で、腸管からの吸収率は有機リンが10~40%、無機リンが約90%。無機リンの方が圧倒的に吸収されやすいためリンの過剰摂取に繫がりやすい。 腎臓は過剰なリンの排出に追われるが、ただでさえ加齢でネフロンが減っているので負荷が大きすぎ、ますます機能低下が進む。老化も進む。外食やスーパー、コンビニの中食はたまの機会としよう。
アルカリ性食品を常備する
細胞の組織液や血液のpHは、ナトリウムやカリウムなどの電解質の割合で変化する。そして、pHが弱アルカリ性の状態だと細胞は正常に働く。 「体液のpH維持も腎臓の働きのひとつです。体液が酸性に傾いているときは尿細管で電解質の量が調節され、pHバランスが保たれています。ところが腎臓の機能が低下すると調節機能も衰えて体液が酸性に傾き、それ自体カラダを老化させる原因になります」 酸性食品の代表格は肉、魚、卵、穀類など。カラダに必須のタンパク質源と炭水化物だ。ならば、梅干しや海藻などのアルカリ性食品を積極的に摂取しpHの維持に繫げるべし。
ニンニク、瓜科食品も積極的に
スイカやメロンなど瓜科の植物に含瓜まれているシトルリンというアミノ酸はタンパク質の構成成分にはならず体内に留まる特性を持つ。 で、何をしているかというと、肝臓でアンモニアの解毒に関わったり、または腎臓でアルギニンに変換されて再びシトルリンが合成されるときに一酸化窒素(NO)を作り出す。 NOは血管拡張作用があることが知られているので、ネフロンの動脈硬化の抑制効果も期待できる。さらに利尿作用によって腎臓の働きをサポートしてくれる。 この夏はスイカ、シトルリンとセットで働くアルギニンの補給源のニンニクで腎臓を労わろう。