虎の強さは本物か?球界大御所が見た矢野阪神の評価とは…「佐藤効果でベンチの雰囲気が変わった」と異例の絶賛
阪神が5年ぶりの7連勝を果たして貯金を「11」に増やしてセ・リーグの首位を走っている。チーム得点、打率、本塁打、盗塁、防御率の5部門すべてでトップ。特に先発防御率1.54と9試合投げて一度も失敗していないストッパー、スアレス(30)に代表される救援陣の好調さが目に付く。また打線もほぼ不動。“怪物ルーキー“佐藤輝明(22)が加わったことで打線に厚みも増した。この強さは果たして本物か?16年ぶりの優勝の瞬間はやってくるのか? 今日20日からの巨人3連戦を前に巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた“球界大御所“の広岡達朗氏に意見を聞いた。
阪神の勢いが止まらない。開幕のヤクルト戦で3連勝すると甲子園での巨人3連戦にも勝ち越し、9日の横浜DeNA戦から現在7連勝。貯金を「11」に増やし2位の巨人とのゲーム差を3.0にした。「投打が噛み合う」とは、まさに現在の阪神を示すのだろう。 ここまで19試合を戦い、藤浪、青柳、ガンケル、西、伊藤、秋山のローテーの6人で5回の責任投球回数をクリアできなかった投手は一人もいない。15勝中13勝で先発に勝ち星がついた。先発防御率1.54は驚異的だ。さらに岩貞、岩崎、スアレスの後半3イニングの勝利方程式も完璧で、ここまで先制した試合は15戦全勝となっている。 打線も不動。2番糸原は打率.373で広島の菊池に次ぐリーグ2位。5番のサンズは現在、打点が「16」で3位。7番の梅野の得点圏打率.615は驚異的だ。8番だけが、当初、相手投手の左右に合わせて、木浪、山本を併用していたが、ここにきてドラフト6位の中野が左腕でも起用されレギュラーに定着しつつある。4番の大山は、本塁打こそまだ1本しか打てていないが、14打点と勝負強さを発揮。「大山が打点をあげた試合は負けない」との不敗神話を続けている。またリーグトップの「18盗塁」だけでなく、スコアブックに残らない機動力を駆使しており、「ソツのない野球」で走者を進め相手バッテリーにプレッシャーをかけている。 虎党が「16年ぶりの優勝や」と騒ぐのも無理のないほど、見ていて負ける気がしないのだが、巨人OBでヤクルト、西武で監督を務めた広岡氏は、「まだ強さは本物ではない。外国人も含めてメンバーの揃っていない他がだらしないだけのこと」とバッサリと切り捨てた。 「優勝争いは巨人と阪神の一騎打ちになるだろう。だが、まだまだ先は長い。今は突っ走っているが、どこかでつまずく。先発ローテーもブルペンも今はうまく回転しているが、これが1年は続かない。中継ぎにしても今でも右がいない。チームが壁にぶつかったときにどう対応するか。そして巨人と競り合ったときに矢野がどういう采配をするか。問題はそこ」