なぜ西武はBIGBOSSの3連勝を許さなかったのか
指揮官が言及した「大変」の二文字には、怪我人が続出中のチーム事情も指す。打線では山川穂高(30)と森友哉(26)の中軸が離脱し、先発陣では右内転筋の張りを訴えて開幕一軍から外れた右腕・今井達也(23)が、ようやく二軍で実戦復帰を果たした。 黒星を先行させた状況で最下位の日本ハムに連敗していたら、わずか0.5ゲーム差に肉迫され、負のスパイラルへさらに陥りかねなかった。 それだけに打線の奮起と松本の踏ん張り、打撃絶好調の2番・松本剛(28)から始まった8回を三者三振に斬った平良の圧倒的な存在感、そして最終回にエラー絡みで招いた一死二、三塁のピンチを封じた増田の力投が、試合後の辻監督の口調を弾ませた。 「しびれる展開だった分だけ、さらに喜びが倍増しました。松本に関しては、次に期待したいな、という気持ちが出てくるピッチングでした」 移動日をはさんで15日からは京セラドーム大阪へ乗り込み、昨シーズンの王者オリックスとの3連戦に臨む。怪我人が復帰するまでまだまだ苦しい戦いが続くなかで、日本ハム戦でチーム全体が共有した“強気”を合言葉に西武は踏ん張り続けていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)