“いきあたりばったり”の矢野采配で阪神がワースト勝率「.067」…5回は対大島に盤石継投も10回は岩崎温存のチグハグ継投
中日ー阪神戦(13日・バンテリンドーム)は延長10回にもつれこむ緊迫したゲームとなったが、阪神が0-1でサヨナラ負けを喫した。阪神は引き分けを挟んで5連敗。球団ワーストの開幕6カード連続負け越しで、開幕16試合で1勝しかできていないのは2リーグ分裂後のプロ野球ワーストタイ記録となり、勝率「.067」はプロ野球史上最低となった。予告先発していた伊藤将司、藤浪晋太郎、江越大賀の3選手が新型コロナの陽性反応で登録抹消される非常事態。急遽、代替先発となった小川一平が5回途中まで無失点に抑える好投を見せたが、特例措置で昇格してきた加治屋蓮が回跨ぎ登板に失敗、大島洋平にサヨナラヒットを浴びた。ストッパーに指名した岩崎優を温存して敗れるという不可解采配。泥沼から抜け出せない阪神は、今日14日に先発予定だった藤浪に代わり、中継ぎに回っていたルーキーの桐敷拓馬が緊急先発する。
加治屋の回跨ぎの続投が裏目
“いきあたりばったり”で勝てるはずがない。 新型コロナの特例措置で緊急昇格した加治屋が5番手として9回のマウンドを任された。フォーク、カットを駆使して、ビシエド、阿部、木下を三者連続三振。昨年4月18日のヤクルト戦以来の1軍舞台に元ソフトバンク戦士は躍動した。 その内容を見て矢野監督に“欲”が出た。そのまま回を跨がせ延長10回も続投させたのである。石川から始まる下位打線。勝負はまだ先だと考えて岩崎を温存した指揮官の“甘い見立て“が悲劇を生む。 一死から京田に二塁打を浴び、代打・根尾に四球を与え、一、二塁で、この時点で打率.390の“最も警戒すべき打者”の大島を打席に迎えた。 フォークを2つ続けて空振りを奪いカウント0-2と追い込んだが、途中出場の梅野は勝負を焦った。3球連続のフォークを選択。それが落ちなかった。 「積極的にいった。最後に甘いボールが来てくれてよかった」 大島は失投を見逃さなかった。 ライナー性の打球が右中間を真っ二つ。京田がホームインして阪神は手痛いサヨナラ負けとなった。引き分けを挟んで5連敗。開幕16試合を終えた時点で、1勝14敗1分けの成績は、プロ野球のワーストタイ記録となった。首位の巨人とは10ゲーム差である。 ソフトバンク時代の加治屋をよく知る阪神OBで評論家の池田親興氏は「加治屋は、左右関係なく抑えられるピッチャーだが、新型コロナの感染者が出たための特別措置で、いきなり昇格となり1軍のマウンドは1年ぶり。その中で1イニングをピシャリと抑えて、ほっとしたところで、もう1イニングというのは負担が大きすぎたと思う。なぜ10回の頭から抑えに決めていた岩崎でいかなかったのか。同点の展開で先攻めのチームの投手継投は難しいが、このベンチの判断には疑問が残る」と、ベンチの継投策を疑問視した。