なぜ西武はBIGBOSSの3連勝を許さなかったのか
打順が大きく組み替えられた打線も、初回から松本を援護した。 今シーズン2度目の2番に抜擢された岸潤一郎(25)が右前打で出塁すると、2番が定位置だった新外国人オグレディがタイムリー二塁打でホームへ迎え入れた。日本ハムの先発右腕・立野の初球、138kmのカットボールを右翼線へ弾き返した。 「前回対戦しているピッチャーなのでイメージがあった。カットボールだったけど、振り遅れることなく打ち返せた」 ともに今シーズンから加入したジャンセン・ウィティ(32)とともに、完封負けを喫した前夜の借りを返そうと早出特打したオグレディが声を弾ませた。さらに今シーズン初の4番に指名された呉も続いた。立野が投じた初球、同じく139kmのカットボールを右前に運び、オグレディを迎え入れた。 「試合前に栗山(巧)さんから『強気で行けよ』とアドバイスをもらったので、思い切って行きました。追加点が取れてよかった」 実は試合前の時点で、前夜同様にオグレディが2番にすえられていた。しかし、ベテランの中村剛也(38)を休養させ、岸とジャンセンを先発で起用するなかで、辻監督がオグレディのクリーンアップ起用を進言した経緯があった。 「岸を使うということで、走者が一人、二人と出ればオグレディも勝負強いところがあるからね。呉も調子が上がってきたし、何かそういう気がしたので」 3回も右翼線二塁打を放った1番・鈴木将平(23)を岸が送った一死三塁のチャンスで、オグレディが2球目の136 kmスプリットを強振。右越えの2打席連続となるタイムリー二塁打を放ち、外崎がしぶとく中前へ落としたタイムリーで生還した。 札幌ドームにおける前回対戦で5回を4安打2失点に封じられ、BIGBOSS体制における初勝利を献上した立野の攻略へ、辻監督はこんな青写真を描いていた。 「意外と真っ直ぐがスピードガン以上に感じるような球を投げる。いいピッチャーだし、前回もやられているので、追い込まれる前に甘い球を仕留めよう、と」 外崎のタイムリーも2球目、144kmのストレートを強振したものだった。バッティングでも“強気”が奏功し、立野を3回でKOするリベンジを果たした。しかし、4回以降は日本ハムの投手リレーの前に一転して2四球のみの無安打に封じられ、追加点を奪えなかった結果として苦戦を余儀なくされた展開には思わず苦笑した。 「まあ、今日は上手くはまったけど、いまは打順とかは関係ないからね。とにかく繋がりを持ってやらないと。まだまだ繋がってこないので、本当に大変だけど」