元ソープ嬢・紅子が語る、隠してきた過去をかくも赤裸々に語ろうと決めたのはなぜか?
■ 吸い寄せられるように色街を撮っていたのはなぜ? ──たまたま写真を撮った場所が、そういうところだったということですか? 紅子:そうです。どこか寂しげなちょっと空気の違う場所、それはかつて自分がいた場所でした。 そういう場所にはそれぞれ歴史がある。であれば、その土地と歴史というテーマで表現活動ができるのではないかと考えたのです。過去を後悔しても時間は戻らないけれど、歴史として伝えることで、違った形で自分の過去を取り戻せるのではないかと思いました。 同時にYouTubeも始め、自分の過去についても動画の中で語り始めました。最初は「過去を語るなんて頭がおかしい」「母親としてどういう気持ちなのだ」など、批判的なコメントがたくさんきました。 ──傷つきますね。 紅子:本当にグサっときましたが、それ以上に応援してくださる方々の声もたくさんいただきました。中には私がやっている写真や、YouTubeで配信している動画について、「あなたはこれを表現としてやっていますよね」と深く理解を示してくださる方もいました。 ──4月に『紅子の色街探訪記』の第2弾が出るそうですね。 紅子:まさか、こんなに早く2冊目を作る機会が与えられるとは思いませんでした。 1冊目を出した後に、漠然とではありますが、吉原遊郭跡にある遊郭専門店、カストリ書房から、いつか遊郭の写真集が出せたらいいなと思っていました。そうしたら、店主の渡辺豪さんから「うちから出しませんか」とオファーをいただいたんです。 ◎元ソープ嬢 写真家・紅子『紅子の色街探訪記2』写真集リリースを目指して! (GREEN)
■ これまでに訪れた色街の数 ──数多くの色街を訪れ、写真を撮られていますが、まだ訪れていない場所はどれくらいあるのですか? 紅子:これまでに150カ所くらい訪れていますが、渡辺さんによると、全国に400カ所ぐらいあるそうで、まだ半分も行けていません。 渡辺さんの『全国遊廓案内』や、木村聡さんの『赤線跡を歩く 消えゆく夢の街を訪ねて』といった本を参考にして撮影場所を探しています。 それから、ライフワークとして赤線跡を撮り歩いて、インスタなどにアップしている人たちが私の他にもたくさんいます。そういう方々がSNSに上げる情報は、どこにまだ建物が残っているかを知るために、とても参考になります。 ──一眼レフのカメラは扱うのが難しくないですか? 紅子:難しいですね。最初はスマホのカメラで撮ってインスタにアップしていたのですが、「どんなカメラで撮っているのですか?」と聞かれるようになり、なんとなく「スマホで撮っています」とは言いにくくて(笑)。だんだん、記録として残すからには一眼レフで撮りたいと思うようになりました。 でも、実際に一眼レフで撮影するなら、扱い方を学ぶ必要があります。途中で挫折してしまうのではないかと半年ほど購入を悩みながら、ヨドバシカメラに通って、店員さんにあれこれ質問する日々が続きました。