和田秀樹が「高齢者こそ肉を食べて!」と主張してきたワケ。長年目の敵にされた<コレステロール>だが、むしろ高齢になると…
◆肉をおすすめする理由 タンパク質には、肉や魚、卵、乳製品などの動物性タンパク質と、大豆やナッツなどの植物性タンパク質があります。このなかでも高齢者におすすめしたいのは、「肉」です。 特に肉をおすすめするのは、なんといっても肉はタンパク質を効率よくとれるからです。 肉なら、牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉など何でもかまいません。同じものばかり食べると栄養が偏るので、可能ならばいろいろな肉を食べるのもよいでしょう。 肉に含まれるタンパク質の量は、種類や部位によって異なります(下表)。牛ステーキを200g食べても、タンパク質を200gとれるというわけでありません。 部位にもよりますが、だいたいのところタンパク質は肉総重量の15~23%程度。でもこれは白米(約3%)や野菜(1~3%)に比べて格段に多い数字です。
◆目の敵にされてきた「コレステロール」 肉をすすめるもうひとつの理由は、ほかの食品よりもコレステロールを多く含んでいるからです。この国では長年、コレステロールが目の敵(かたき)にされてきました。 コレステロールを諸悪の根源とするかのようなネガティブ・キャンペーンの影響で、日本人の頭には「コレステロールを減らすこと=健康」という誤った常識が刷りこまれています。 たしかに中年期までは、コレステロールが多すぎると動脈硬化を引き起こすリスクがありますが、高齢になってからはコレステロール値が高い人ほど健康です。 99歳まで現役の作家だった瀬戸内寂聴さんや、105歳まで現役医師だった日野原重明さんは、最晩年まで「ステーキ」をよく食べていたと聞きます。ただ、それはなかなか真似のできないことかもしれません。 そこで私は、今よりも一日当たり「プラス50g」の肉を食べることをおすすめします。 うどん店に行ったときには、釜揚げうどんやざるうどんではなく、肉うどんを注文すれば、並盛りで25~27gのタンパク質をとることができます。 ラーメン店では、タンメンよりも、チャーシュー麺、スーパーでサラダを選ぶときは野菜だけのサラダではなく、チキン入りのサラダを選ぶ。こうして少し意識すれば、プラス50gの肉を食べるという目標も達成しやすくなります。 ※本稿は、『医者にヨボヨボにされない47の心得 医療に賢くかかり、死ぬまで元気に生きる方法』(講談社)の一部を再編集したものです。
和田秀樹
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