2024年7月の住宅ローン金利(132銀行・1000商品)をランキングで比較! 変動金利、10年固定、全期間固定の金利動向は?
市場金利(長期金利)は、上昇の流れ
住宅ローン金利に影響を与える市場金利も見ておきましょう。 米国市場金利は、政策金利の利上げが終了か 米国では、急速に進むインフレ対策として、FRB(連邦準備制度理事会)が2022年より継続的な利上げを実施し、金利は右肩上がりで上昇。そして2023年10月以降、インフレ率は徐々に低下しました。 しかし、6月に開催された連邦公開市場委員会(FOMC)で、FRBは前回同様、政策金利を据え置き。インフレについては、想定より上振れしている状況を示したことから、市場の状態としても、利下げの時期はさらに遅くなると見られています。また、24年内の利下げ回数は1回に下方修正されました。 なお、2024年7月1日の米国長期金利は4.410%です。 日本は、国債買い入れ額の減額で長期金利は上昇に向かうか 2024年3月に開かれた金融政策決定会合では、マイナス金利政策と長期金利をコントロールするYCC政策が、ともに撤廃されました。ただし、長期金利が急激に上昇する場合は、機動的に国債の買入れ額の増額などで対応するとしており、金融緩和的な立場は継続していました。 しかし、6月の金融政策決定会合では、今後1~2年程度の国債買い入れを減額し、保有している国債残高の縮小に手をつけることを発表。具体的な金額などは7月会合で発表となる予定です。 国債買い入れの減額となると、長期金利は上昇すると考えられます。住宅ローンの固定金利は長期金利に連動するため、今後は固定金利のさらなる上昇が予想されます。 2024年7月1日の10年国債金利は1.069%です。10年国債金利が1.0%を超えるのは2013年5月以来およそ11年ぶりとなるため、今後の動向に注視する必要があります。 世界的な金利高の中で、日銀は今なお低金利政策を継続しています。そのため円安が進んでいるのが現状です。円安はインフレを加速する可能性があり、今後の金利動向は予断を許しません。 なお、市場金利が上昇することで、銀行の資産運用のスタンスが変更となる可能性があります。 これまでは国債金利が0%近辺であったため運用の魅力が乏しく、住宅ローンを積極的に獲得してきましたが、国債金利が上昇してくれば、「安全な国債で資産運用しよう」という銀行が増える可能性があり、結果として住宅ローンを無理に低金利で獲得する必要がなくなります。 こうした銀行の資産運用の面からも、住宅ローン金利が上昇する可能性があります。 市場金利と住宅ローンの関係は? 住宅ローンの全期間固定(フラット35)、10年固定金利などは、この10年国債金利と連動性が高いと言われています。 住宅ローンの変動金利は、日銀の政策金利(現在は0~0.1%程度)との連動性が高いと言われています。 どちらも、日銀の政策次第で、将来的には上昇していく可能性があります。
淡河範明