【入院中の食費】大部屋に30日間入院し、高額療養費制度を使っても請求額は20万円でした。病院の食事に「1食400円」は高いでしょうか?
病気やけがで入院になってしまうと、費用は一気に高くなります。治療費や部屋代など入院などの内容にもよりますが、基本的には大きな出費になってしまいます。 特に、入院費のなかでも一番高いと感じたものは、入院中の食事代と考える人もいるでしょう。そこで本記事では、そもそも入院中の食事代は高いのかについて解説します。
入院中の食費は高い?
まずは、入院中の食費が高いのかを見ていきましょう。厚生労働省の「入院時の食費について」によると、病院給食の委託単価は年々上昇しています。 委託単価を比べた場合、2018年は1796円だったのに対し、2022年は1997円に値上がりしており、差額は201円です。公定価格の1920円と比べると、2018年では124円安く提供されていたものが、2022年には公定価格を超えて77円も高くなっていたことが分かりました。 入院中の食費が年々上昇している理由に、食材の高騰が挙げられます。食材の高騰は仕入価格に大きく影響し、病院で大量の食事を提供するために値上げせざるを得ない状況となっているのです。 たとえ数円でも、入院日数が多くなればなるほど負担額は多くなりますが、外食で1日2000円と考えれば、今回の1食400円で1日1200円の価格設定は良心的だといえます。もっとも、食材の高騰が続く以上、入院中の食費も上がり続けると考えていいでしょう。
高額医療費制度とは?
入院は金銭的に大きな負担となりますが、高額医療費制度を利用すれば支出を減らすことができます。高額医療費制度は国が定めている制度の一つで、医療機関や薬局で払う医療費が1ヶ月で上限を超えた場合に超えた分の金額を国が負担してくれるというものです。 上限額は年齢や所得に応じて変わるため、個人によって差があります。例として、70歳未満の上限額は図表1のとおりです。
全国健康保険協会の「高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)」を基に筆者が作成 所得が高いほど負担は増えますが、医療費が高額になったとしても上限金額までの支払いで済みます。高額な治療を受ける予定や入院の予定がある場合は、必ず高額医療費制度を申請しておきましょう。