「パパの遺産、あの子に渡さないよね…」40代父親のがん発覚で、社会人1年目の長女が口走った〈未来の相続〉へのまさかのホンネ
近年では、さまざまな家庭の形が増えています。ある40代の女性は、夫のがん発覚で家族が慌てふためくなか、社会人1年目の長女から相続に関する驚きの発言を聞き、言葉を失います。実情を見ていきます。 【早見表】国民年金・厚生年金「年金受取額」分布…みんな、いくら年金をもらっているのか?
音信不通だった妹の死…遺された姪をわが子に
近年では、離婚や再婚に伴うステップファミリーの形成、また、事情により養子を迎え入れるなど、多様な家族のスタイルが増えています。 40代の山田さんは、同い年の夫との間にひとり娘がいます。また、山田さんには妹がいましたが、疎遠な関係で、成人してからはほとんど連絡を取っていませんでした。 「2人目の子どもがほしいのに、長女が小学生になっても授からず、悩んでいたのです。そうしたら、実母から〈音信不通だった妹が亡くなった〉と連絡を受けまして…」 山田さんの妹は、遠く離れた土地でシングルマザーとなっており、3歳の女の子がひとり遺されていました。 「突然のことで驚きましたが、母から送られてきた写真を見てさらにびっくりです。だって、うちの娘の小さいときとそっくりだったのですから…」 写真を見て、2人目の子どもとして育てようと提案したのは、山田さんの夫の方でした。 「夫は写真を見て情が移ったようで〈とても放っておけない。引き取って、娘と姉妹として育てよう〉といいだしました。私の両親も、そうしてもらえるとありがたいということで、うちで引き取ることにしました」 山田さんは、引き取った姪っ子を実の子と姉妹同様に育てました。 「素直で明るく、勉強もスポーツもよくできる、本当にいい子です。上の子も妹ができたといって、とてもかわいがっていたのですが…」 山田さんから見て、姉妹の仲はごく普通に見えたといいます。 「ときどきけんかもしますが、持ち物を貸し借りしたり、一緒に出掛けたりして、仲のいい普通の姉妹そのものでした」
夫の病気で判明した、長女のホンネ
ところが、長女が社会人1年目になったとき、転機が訪れます。山田さんの夫ががんの宣告を受けたのです。 「会社の検診で再検査の通知があり、軽い気持ちで受診したら、がんでした。とはいえ、そこまで深刻なものではなく、通院しながら治療を受けていたのです」 社会人となってひとり暮らしをしている長女も、父親を心配して実家に戻り、家族でひと時一緒に過ごしていました。 「夫と下の娘がそれぞれ自室に引き取り、長女と2人きりになったタイミングがあったのです。そうしたら、長女がビックリするようなことを言い出して…」 「〈パパが死んでも、妹は遺産を相続しないよね? 渡さないよね?〉というのです。〈お母さんとは血がつながってるから、お母さんの財産が妹に行くのは納得できるけど〉と…。思わず絶句しました」