動画・ゲームそのものより“親の無関心”が大問題! 『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?』著者インタビュー
「子どもがずっとゲームや動画を見続けている」、「視力が低下しないか心配」、「ゲーム中に暴言を吐く」、「依存症になっているのではないか」…などなど、子どもとデジタルメディアの付き合い方は悩ましいものですよね。 あれ?と思ったら最初に読むべき!と話題沸騰中の本、『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』(KADOKAWA)は、漫画家のアベナオミさんが子育てをする中で実際に感じたデジタルメディアの心配事について、臨床心理士の森山沙耶さんがわかりやすく解説してくれる一冊です。今回は、著者のアベナオミさんに、子どもとデジタルメディアの付き合い方についてお話を伺いました。 【漫画を読む】『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?もしかしてデジタル依存!?と思ったら』を最初から読む ■「何が正解なの?」胸に刺さっていた棘がスーッと抜けたような気分に ――子どもとデジタルメディアの付き合い方についてわかりやすく学べる本作ですが、どのような方に読んでいただきたいですか? アベナオミさん:現在進行形で悩んでいる家庭はもちろんですが、まだお子さんが生まれたばかりのママさんやパパさんにも読んでいただきたいですね。これから大きく成長する過程で、逃れられないデジタルメディアとどう付き合うのか、早く知ることが大切だと思います。 ――本作品の制作過程の中で、アベさんが得た気付きなどがあれば教えてください。 アベナオミさん:長男が動画視聴を始めてから早10年以上経過しているのですが、ずっと「なんかダメな気がするけど、何が正解なの?」と胸に刺さっていた棘がスーッと抜けたような気がしました。ダメじゃないけど、デジタルメディアとの付き合い方、さらには親子の信頼関係の大切さなど、改めて大切なんだと学びました。 ■子どもがデジタルメディアで何をしているのか? 常に気に掛けることが大事 ――アベさんの周りでも「子どもとデジタルメディアの付き合い方」について悩まれている親御さんは多いですか?また、今悩まれている方に対して、どのような言葉をかけてあげたいですか? アベナオミさん:我が家は子どもの年齢差が幅広いので、長男(中3)のママ友は「受験生なのにスマホばっかり見てて大丈夫かな?」という悩みだったり、次男(小3)のママ友は「下校したらずっとゲームか動画。宿題を全然やらない」「課金したいと言い始めたけど対応に困っている」。長女(年長)のママ友になると「とにかく動画ばっかり見ている」「動画で変な言葉を覚えて困る」など年代ごとで悩みは様々のようです。 私も悩んでいる側の人間ですが、へとへとに疲れていると子どもを見守ることすらしんどいと感じる時だってあると思います。完璧じゃなくてもいいので子どもをよく見てあげることに尽きると思います。どんなゲームをしているのか、どんな動画を見ているのか気に掛けることからはじめて欲しいと思います。 ――本作品を出版された後、読者の方や周りの方からどんな反響がありましたか?印象に残っているコメントがあれば教えて下さい。 アベナオミさん:読んでくれたママ友たちからは「全部うちの事かと思った。うちのこと監視してた?」「スーパーだらだらタイム(※)、うちと同じで安心した」という声を頂きましたね。すごく共感してもらえたんだと感じましたし、みんな同じことに不安を感じていたんだなぁ~と実感しました。 ※著者アベさんの家庭では、「スーパーだらだらタイム」として、夕食後から21時頃まで動画もゲームも自由としています。 ■敵はスマホやゲームではない!ラスボスは「親の無関心」 ――「子どもとデジタルメディアの付き合い方」において、最も大切なことは何だと思いますか? アベナオミさん:敵はスマホやゲームだと思っていたアベですが、森山先生の取材を経て「親の無関心がラスボス」だと感じました。忙しい令和の時代を生きる私たちが子どもと向き合う時間は限られていますが、限られた時間でコミュニケーションをとることが、大切だと思います。 ――最後に、読者へのメッセージをお願いします。 アベナオミさん:拙著をお読みいただいた読者の皆様、これからお読みいただく皆様、まずはこの本のタイトルに興味を持っていただき、心から感謝申し上げます。きっと私のように「動画やゲームなしには育児ができないけれど、なんだか不安」というママさんパパさんだらけだと思ってこのコミックを執筆しました。 大人だってスマホやゲームがなかった時代にはもう戻れませんよね。うまく付き合っていくしかないと割り切って、令和の激流に流されつつも、上手に流れに乗って子育てをともに頑張っていきましょう! *** 親の無関心こそがラスボスであると語ってくださったアベナオミさん。家事に仕事にと日々やることがたくさんある私たちですが、スマホやゲームを与えっぱなしにするのではなく、子どもが何を見ているのか、何をやっているのか見守っていくことが大切ですね。 取材・文=宇都宮 薫