やっぱり青学大が本命?!駒大優勝の全日本大学駅伝から見えた箱根駅伝の行方とは?
全日本は2区近藤幸太郎(2年)が区間13位、6区山内も失速。それでも7区神林勇太(4年)が区間賞の走りで、2位の東海大に39秒差をつけた。アンカー吉田が誤算だったとはいえ、優勝へのストーリーはできていた。 全日本は過去2度しか勝っていないが、箱根は過去6年間で5度の総合優勝。箱根へのピーキングは素晴らしいものがあり、特殊区間の不安も少ない。キャラクターが異なる豊富な戦力を抱えており、適材適所のオーダーを組むこともできる。リザーブも万全だ。 箱根駅伝は全日本から2区間増えて、故障や風邪など体調不良でメンバー漏れする主力も出てくる。選手層の厚いチームが断然有利。優勝争いは青学大が一歩リードしていると言っていいだろう。 では、全日本を6年ぶりに制して、学生三大駅伝で単独最多22回の優勝を飾った駒大はどうか。 大八木弘明監督は、「1、2年生が順調に育ってきて、今まで以上にまとまった練習ができるなどレベルが上がっていました。これだったら青学大、東海大に勝てるんじゃないかな、と感じていたところがありました」と全日本は優勝を狙っていた。しかし、箱根に向けては慎重だ。 「箱根は距離が違いますので、ハーフマラソンが走れるスタミナを作らないといけません。それに選手層の厚いチームにしていかないと、なかなか勝てないと思います。全日本は勝ちましたけど、箱根は前回8位ですし、『3位以内』には入りたい。そのための準備をしていきたいです」(大八木監督) 全日本は最後の最後でトップを奪ったが、箱根はエースの走りで”先制攻撃”を仕掛けられるのが駒大の強みになる。田澤のポテンシャルは他校にとって脅威になるだろう。全日本8区は日本人区間歴代5位の57分34秒で区間賞を獲得したが、本人は日本人区間最高(56分59秒)の更新を視野に入れていたため、まだまだ余力があった。 「本当はもっとガーンと行きたかったんですけど、必ず優勝したい、という思いがあったので、(東海大と)並走というかたちを選びました。ある程度、余裕を持ちながらスパートをかけていて、後ろをチラッと見たら、ついてきていなかったので、最後は気持ちよく上げて終えることができました。箱根はどの区間を任されても区間賞、区間記録を狙っていきます」と田澤。エースは自信をさらに深めている。 大八木監督は「田澤は大事な区間を走らせます(笑)」と具体的な区間を口にすることはなかったが、絶対エースは2区での起用が濃厚だ。駒大が優勝を狙うとすれば、田澤でリードを奪い、首位を走るアドバンテージを生かして逃げ切る作戦になるだろう。