大阪・関西万博の事業化支援チーム発足 発起人の吉本前会長・大﨑氏「若者が夢持てる参加型万博に」
2025年の大阪・関西万博で行われる様々な催事や取り組みの事業化を支援するプロジェクトチームが17日、発足した。発起人は、大阪・関西万博2025催事検討会議の共同座長を務める吉本興業前会長の大﨑洋氏。同チームは有志団体であり、今後、企業などからの支援を得つつ、活動を行うという。 【拡大写真】夢洲で「リング」の組み立て進む パビリオン建設は際立った変化なし
同日午前、大阪市内のホテルで行われた記者発表会には、大﨑氏の他、iU(情報経営イノベーション専門職大学)学長の中村伊知哉(いちや)氏、企業の新規事業などを支援するTOITOMA社長の山中哲男氏、公務員が課題・ノウハウを共有するプラットフォーム「よんなな会」を主宰する脇雅昭氏の3名がチームのメンバーとして壇上に上がったほか、リモートで経済産業省博覧会室室長の奥田修司氏が参加した。
大阪・関西万博の開催中は、様々な催事や政府のアクションプランなどの取り組みが会場内で行われる。同チームはこれらのうち、社会課題の解決につながる取り組みの事業化を支援して、万博の成果を未来につなげることを目指す。 支援では、事業化に向けては何から始めるべきか、顧客開拓はどうすればいいのか、資金をどう調達するかなど、事業を立ち上げる際の様々な障壁をクリアするための相談や助言を行うが、資金面の援助は行わない。
大﨑氏は「(催事検討会議の共同座長に就任して)催事には予算措置がなされておらず、入場料も取らないので、協賛者を募らねばならないということが分かって、これは気合をいれてやらないといかん、と思いました。70年万博のときは基金をもとに財団を作ったと思いますが、今回はカジュアルに小回りの効く、かなりオープンな組織を作って、万博協会さん(2025日本国際博覧会協会)へのフォローや連携をやらないければいけない、と考えました」などと、同チーム設立の動機を説明。 同チームについては当面、法人格のない任意団体でスタートする。今後、必要に応じて非営利団体とするのか、もしくは営利団体とするのかなど、組織のあり方を議論しつつ取り組みを進める方針。
有志による任意団体、ということで、この日の記者発表会も含めて、目下の活動費用は有志で負担。山中氏は「(チームの活動に用いる)財源は今後必要になると考えている。現状で、具体的にどこに支援をいただくかは決まっていないが、今後より多くのところにお声がけしたい」として、自力で支援を募りつつ活動する方向性を示した。 記者発表会の最後に、大﨑氏は「今の子どもや若い人たちが夢を持てるような参加型の万博にしたい。チームとして精一杯応援したいので、マスコミのみなさんも含めてぜひ一緒に行動したい」と訴えた。 (取材・文:具志堅浩二)