<大阪・関西万博>夢洲で「リング」の組み立て進む パビリオン建設は際立った変化なし
7月28日、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場である大阪・夢洲(大阪市此花区)で、万博会場のシンボルとされるリング(大屋根)の組み立てが進む様子を、付近の展望台から確認しました。 【拡大写真】2023年5月25日に撮影した写真。会場一帯の地面にリング状の形が見えはじめた
リングは高さ12メートル(外側は20メートル)、内径約615メートルという巨大な環状の木造構築物。2025年日本国際博覧会協会は7月3日、リングの組み立てを6月30日から開始したことを発表しています。
夢洲の近くにある咲洲(同住之江区)にある地上252メートルの「さきしまコスモタワー展望台」から、パビリオンエリアの北東部を見下ろすと、木製の柱と梁を組み合わせて作られた構造物が見えました。 その左側を見ると、基礎工事が環状に進められている様子がうかがえます。今後は基礎工事を経て建設環境が整ったところから順次組み立てが行われ、リングが形成されていく予定です。 構造物の手前では、大阪府と大阪市が出展する大阪ヘルスケアパビリオンの基礎工事が行われているはずですが、写真ではどこなのかがわかりにくい状況です。9月中旬から予定されている躯体工事に入れば、より特定しやすくなると見られます。
この他、海外の国および地域が自ら設計・建設する「タイプA」のパビリオンなどが立ち並ぶ予定となっているリング内側のエリアでは一部で基礎工事が行われている様子ですが、建物を建築するなどの際立った変化はまだありません。 「タイプA」のパビリオン建設を行うには、建設に必要な図面をまとめた基本計画書を大阪市に提出して、許可を得ることが必要です。同市計画調整局建築指導部の担当者によると、7月31日午後3時までに提出された基本計画書は1件のみ。なお、同局では申請国および地域については公表していないとのことです。 海外の「タイプA」パビリオン建設の遅れについて、大阪府の吉村洋文知事は7月26日の定例会見で、「すべての国が『タイプA』でいけるかどうかは、冷静に分析した方がいい」として、国・地域によっては、協会が建物を建てて引き渡す「タイプB」など他の手法も勧めるべきとの考えを示しました。海外の国および地域のパビリオンが、最終的にどういった建物になるのかはまだ見通せません。 (取材・文:具志堅浩二)