四川飯店・陳 建太郎さん直伝!アウトドアで作れる本格中華料理レシピ8選
今回は四川飯店・陳 建太郎さんが王道のアウトドア中華を紹介する。 【写真48枚】辣油のホットな辛みが冬キャンにおすすめな豆乳坦々麺など、陳 建太郎さん直伝のアウトドアで作れる本格中華料理レシピ8選を写真で見る
中華料理はスピードが命!
・陳 建太郎さん 中華の鉄人、陳 建一氏を父に持つ、四川飯店の3代目オーナーシェフ。伝統の味に現代の食材、調理法を取り入れ独自の料理を発表。秋川渓谷でのBBQが父との思い出。 ◆ベースを知っておけばアレンジしやすい料理ばかり ちまたで人気のアウトドア中華。高火力の焚き火とも相性抜群で、フィールドで中華鍋を振るうキャンパーも、いまでは珍しくない。 「中華料理はスピードが大切。そのため、いかに段取りよく調理していくかがポイントです」 と語るのは、赤坂四川飯店の陳 建太郎さん。 「あれもこれもキャンプでやろうと思うとパニックになるので、漬け込みやソース作りなどの下準備は家で済ませ、現地では炒めるだけに徹するといい」 調理台にはずらっとスパイスが並ぶ。建太郎さんが作る四川料理は、豊富なスパイスを使った辛みが特徴なのだ。本格派を目指すなら、野外にも必須! 「なかでも豆板醤(そら豆を原料にした唐辛子味噌)と甜麺醤(小麦から作った豆味噌)があると便利。発酵調味料は料理の味に奥行きを出してくれます」 中華は香りが命でもあるが、発酵調味料を先に炒めることで香りを立たせることができる。商品によって塩味が違うので、最初は少なめに使って、あとから塩味甘みを足していくといい。 「今回紹介する油淋鶏や炒飯は、ベースを知っておけば、手元にある食材を使っていくらでもアレンジできます。肉味噌も、これひとつあればさまざまな料理に活用できるので、キャンプごはんにおすすめですよ」 ・3代続く四川料理の老舗「赤坂四川飯店」 日本に四川料理を広めた陳 建民氏(建太郎さんの祖父)が1958年に西新橋に創業したのがはじまり。伝統の味を継承しつつも、現代の食材や技術を組み合わせ、新たな四川料理を提供。 住所:東京都千代田区平河町2-5-5 全国旅館会館5F・6F 営業時間:ランチ11:30~15:00 ディナー17:00~22:00 定休日:月曜・年末年始 ◆漬け込んで手間いらず 油淋鶏 揚げ物をするときは、衣を少し湿らせると剥がれにくくなる。じっくりじっくり揚げることで外側サクッと中ジューシーな仕上がりに。 ・材料(2人分) 鶏モモ肉…1枚(200g) ネギ(みじん切り)…10cm分 片栗粉…適量 A 砂糖…大さじ2 酢…大さじ2 しょうゆ…大さじ2 水…大さじ2 ショウガ…小さじ2 ごま油…小さじ2 B 水…1L 塩…15g 砂糖…5g しょうゆ…5g 酒…10g ネギの青い部分…適量 ショウガ…1片 ・キャンプへ行く前の下ごしらえ (1)Aをすべて合わせ、タレを作る。 (2)鶏モモ肉は厚い部分を包丁で開き、筋を切る。 (3)Bを合わせ、鶏モモ肉を30分以上漬けておく。 ・作り方 (1)漬け込んだ鶏モモ肉(水けは拭かず)に、片栗粉をまぶす。 (2)油(分量外)の温度を180度Cにキープしながら、じっくりと揚げる。 (3)ひと口大にカットし、Aのタレにネギを加えたものをかけていただく。 ◆パラしっとりが丁度いい たまご炒飯 パラッとしすぎない、食べやすいパラしっとり炒飯。卵とごはんをお玉の丸い部分で叩きながら炒めると、卵の香りが広がる。 ・材料(2人分) ごはん…250g 卵…2個 ネギ(みじん切り)…10cm分 ラード…大さじ2 A 塩…小さじ1/4 コショウ…少々 酒…大さじ1/2 鶏ガラスープの素(パウダー)…小さじ1/4 うま味調味料…小さじ1/3 しょうゆ…小さじ1/3 ・作り方 (1)フライパンにラードを入れ、熱くなったらといた卵を流し入れる。 (2)卵がボワッと膨らんだら温かいごはんを入れ、お玉で叩きながら炒める。 (3)Aを順番に加え、味を調える。最後にネギを加え軽く炒めたら完成。 ◆残り油は香りをプラスし、辣油に変身! 野外での油の処理は困るもの。そんなときは香辛料をプラスし、 辣油を手作り。翌日瓶などに保存し、キャンプのお土産に! ・材料(2人分) A 古くなった揚げ油…1L ショウガ…1片 ネギの青い部分…1本分 サンショウの粒…1g 乾燥唐辛子…2g B 一味唐辛子…50g 韓国唐辛子…50g 油…大さじ3 ・作り方 (1)Aをすべて合わせて弱火にかけ、油に香りを移す。 (2)油以外を取り除き、200度Cの高温になるまで温める。 (3)Bを混ぜ合わせ、(2)を2、3回に分けてかける。 (4)よく混ぜたらアルミホイルで蓋をして1日おき、香りを移す。 ◆保存もOK!万能肉みその作り方 大量に作っておけばいろいろな料理にすぐ使える。冷蔵庫で約10日、冷凍すれば3週間ほど保存可能。ごはんにかけるだけでも◎。 ・材料 豚ひき肉…300g A 酒…大さじ1 しょうゆ…大さじ1 甜麺醤…大さじ2 ・作り方 (1)フライパンに油大さじ1/2(分量外)を入れ、ひき肉を炒める。 (2)肉の色が変わり、濁った油が透き通るまでさらに炒める。 (3)Aを入れ、汁気がなくなるまで炒めたら完成。 ◆陳家に伝わる祖父の味 くずし麻婆豆腐 手間はかかれど下茹ですることで水気が出ず、旨みが引き立つ。ごはんはもちろん、トーストに塗ってチーズをのせるとトロける旨さ! ・材料(2~3人分) 肉みそ…80g 豆腐…350g ネギ(みじん切り)…10cm分 お湯(または水)…150ml 水溶き片栗粉…大さじ1 辣油…大さじ1 A 豆板醤…大さじ1と1/2~大さじ2 ニンニク(すり下ろし)…小さじ1 B 酒…大さじ1 しょうゆ…大さじ1/2 オイスターソース…小さじ1 こしょう…少々 四川料理はスパイスを効かせた辛みと香りが特徴。ソースやペーストなどを総称した醤(ジャン)と、香辛料に分類される。 ・キャンプへ行く前の下ごしらえ 豆腐を手で適当な大きさにちぎり、中心が温まるまで塩ひとつまみ(分量外)を入れたお湯で茹で、ザルにあげる。 ・作り方 (1)フライパンに油を大さじ1/2(分量外)を入れ、Aを炒める。香りが出たらお湯と肉みそを入れる。 (2)下茹でした豆腐、Bを加えたら、豆腐をくずしながら2~3分煮る(ごはんによく絡む!)。 (3)ネギを加えて火を止め、水溶き片栗粉でとろみをつける。火をつけて仕上げに辣油を入れる。 ◆香ばし麺で食欲UP! 四川炒麺 ほぐさずそのまま焼き目をつけると、お焦げのような香ばしさに! 隠し味のオイスターソースでいつもの味が激変!! ・材料(1人分) 肉みそ…80g 蒸し麺…1玉 モヤシ…100g ザーサイ…20g ネギ(みじん切り)…10cm分 A 酒…小さじ1 油…小さじ1 しょうゆ…小さじ1/3 B 酒…大さじ1/2 しょうゆ…小さじ1 オイスターソース…小さじ1 うま味調味料…ひとつまみ ・作り方 (1)蒸し麺にAで下味をつけ、フライパンに油大さじ1/2(分量外)を入れ、弱めの中火で両面に焼き色をつけ一度取り出す。 (2)モヤシを軽く炒めたら、ザーサイ、肉みそ、ネギ、①の麺を入れ、ほぐしながら炒め合わせる。 (3)Bを加えてさらに炒める。好みで辣油や一味唐辛子を入れても美味しい。 ◆順番遵守がキレイに混ざるコツ 豆乳坦々麺 スープに豆乳を合わせることで、コクが出て、ピリ辛ながらまろやかな味わいに。徐々に乳化することで、だんだん香り立つのが面白い。 ・材料(1人分) 肉みそ…30g 中華麺…1玉 豆乳…300㎖ 青菜…適量 A ザーサイ(刻む)…20g うま味調味料…小さじ1/2 酢…小さじ1/2 しょうゆ…大さじ2 練りごまペースト…大さじ2 辣油…大さじ1/2~1 ネギ(みじん切り)…少々 ・作り方 (1)メスティンにAを上から順番にすべて入れる。 (2)ほかの鍋で麺を表示の分数どおりに茹でる。ザルにあげてよく湯を切る。 (3)ネギと沸かした豆乳を①に入れ、麺を加える。上に肉みそと青菜を盛り付ける。