野島裕史「まさに“失敗から学ぶ”ということを体感できた大会でした」2年ぶりに挑戦した『石垣島トライアスロン』を振り返る
◆野島が改めて感じたトライアスロンの魅力
ですが、バイクで10kmぐらい走っている間にちょっと気持ちに変化が現れたんですよね。「そもそもケガに悩まされ、2年ぶりの参加にしては良かったほうなんじゃないか」「泳ぎに集中してトレーニングすれば、来年は全然いけるんじゃないか」「今年は海の練習を集中してやろう!」「むしろ他のトライアスロン大会に参加したらいいんじゃないか!」「スイムスーツが古くなってきているし、新しく買おう!」とか、驚くほど気持ちがポジティブになっていったんですよね。 この気持ちの変化が自分でも面白いくらいわかったので、自転車を漕ぎながら「やっぱり運動は気持ちをポジティブにする効果がある!」と思いましたし、大好きな自転車に乗っているので、勝手に前向きになったんじゃないかなと気付きました。 そして、その気持ちの変化とともに、ケイデンス(ペダルの回転数)も上がって、自転車のスピードも上がって、終わってみればバイクは前回よりも早いペースでフィニッシュできちゃいました。 そして、最後のラン。もうメンタルはすっかり回復してやる気満々。しかも、(この番組でトライアスロンに関する指導を受けたトライアスロンコーチの)孫崎虹奈(まごさき・にじな)さんに「前回はバイクで頑張り過ぎていた」と指摘されていたので、今回はバイクを頑張り過ぎないように8割ぐらいの力で行こうと心がけていたので、作戦通りに本当に気持ち良くランに臨むことができました。 熱中症の不安を感じるくらいの暑さではあったのですが、このときはすっかりポジティブになっていて、さらには「去年の真夏の炎天下の中『フジロック(FUJIROCK FESTIVAL)』を目指したライドよりは全然マシ、いけるいける!」なんて思いながら、給水所ではしっかり水分補給をし、冷たい水を頭からかぶり、ペースを保ちながら走りました。 前回は半分の5kmを過ぎたあたりで膝に痛みがきたんですけど、今回は全くそんなこともなく、後半に向けて速度が上がるくらい調子がよかったです。先ほども言った通り、今回はコースが変更になり、高低差もあって前回よりもキツいコースのはずだったのですが、結果的にランも前回より速く走ることができました。 とはいえ、ゴールした後の達成感は前回のほうが断然高かったですけどね。今回は達成感というよりも反省と次回へのリベンジの気持ちが強くあって……前向きといえば前向きですけどね(笑)。 ただ、今回スイムの失敗で残りの2種目を諦めていたらきっと前向きな気持ちになることはなかったと思いますし、今後この大会にはもう出ないんじゃないかというくらい凹んだままだったと思います。でも、3種目あるトライアスロンだからこその気持ちの切り替えができたんじゃないかと改めて思いました。そして、それこそがトライアスロンの魅力だということを発見できた気がします。まさに“失敗から学ぶ”ということを体感できた大会でした。ということで、次回に向けてスイムを頑張ります! (TOKYO FM「サイクリスト・ステーション ツアー・オブ・ジャパン」2024年5月19日(日)放送より)